なぜ「40歳」という具体的な年齢だったのか
事の発端は、あるYouTubeの動画で、コラムニストの女性が「40近くになってパーカーとかを着ているおじさんは結構おかしいと思う」と発言したことにありました。
もともとこの動画は、当時37歳のインタビュアーが「素敵なおじさん」になるために、女性からアドバイスをもらうという企画のもとに作られたそうです。しかし、「40歳の男性はパーカーを着るべきではない」とも受け取れる女性の発言が、人々を驚かせました。
この発言がメディアで取り沙汰された初期に私は動画を見たのですが、そのときには、インタビュアーと女性との間で職場に関する話題があったように思いました。ところが、この本を書くにあたってこの動画を見直したところ、私の記憶していた場面はありませんでした。
やや唐突にこの発言が登場したのですが、動画が事後的に編集されたのかどうかを知る手だてはありません。そのため発言が出てきた文脈を追うことは難しいのですが、いずれにしても、「40近くになってパーカーとかを着ているおじさんは結構おかしいと思う」という表現が一人歩きをして、さまざまな議論を呼び起こしたことは事実です。
では、この表現の何が世間に衝撃を与えたのでしょうか。まずは「40」と具体的な年齢が出てきていることです。
話し手であるインタビュアーが37歳であることを意識しての「40歳」という数字の選択と思われますが、「40歳」は一般的にはもう若くはない年齢です(もちろん、見た目で若々しい人はいるでしょう)。
中国の思想家である孔子が『論語』のなかで「四〇而不惑」と述べたように、自分の生き方や考え方に迷いがなくなる。そういった年齢が40歳でもあります。
「40近くになって」ということは、まだ40歳になるまで数年ありますが、そろそろ知識や経験を得て、分別をわきまえているはずだというニュアンスが含まれていると思われます。







