これらを防ぐために、まずは買い物前に自分に問いかけてみましょう。「これは本当に必要?今の気分に流されてない?」と立ち止まるだけで冷静さが戻ります。感情知能は筋トレのように日々の習慣で鍛えられるので、少しずつ意識することで衝動買いを減らせます。
自分を客観的に見て、自分が今どんなバイアスを受けているのかを考えられれば、より賢い選択ができるようになります。そして金融やそれぞれの商品に対する基本知識を身につけることも大切ですね。
意志ゼロで貯蓄習慣が持続する
トップ・オブ・マインド効果
貯めようと思ってもついつい使ってしまう。実は、「貯めよう」という気持ちそのものを「思い出す頻度」が、貯蓄行動を大きく左右するという研究があります。
イエール大学のカールランらが行った、ボリビア、ペルー、フィリピンでのフィールド実験(注4)によれば、参加者に「貯蓄を思い出させるリマインダー(SMSやはがき)」を送ると、なんと受け取った人の貯蓄額は受け取らなかった人に比べて平均で6%も増えたのです。
しかも、ただ「貯金しようね」ではなく、「子どもの学費のために」「新年までに〇〇ペソ」といった具合に、「目標額と期限」をセットで伝えるほど効果が高まりました。
ここで大事なのは、意志力や我慢強さだけでは貯蓄は続かないということ。むしろ「うっかり忘れる」のを防ぐ仕組みがあれば、人は意外と自然にお金を貯められるのです。
たとえば毎月の給料日に「今月の目標は5000円貯金です!」というメールを送るだけでも、忘れがちな行動がグッと現実化するのです。意志より環境が行動を導きます。これは私たちの脳が、直前に意識したことに強く反応することに起因します。「あ、そうだ!」と思った瞬間に行動は始まっているのです。
『科学的に正しい[お金が貯まる]習慣』(堀田秀吾、扶桑社)
この現象は、「トップ・オブ・マインド効果」とも呼ばれます。つまり、心の中で「今、一番上に乗っているテーマ」になれば行動が変わる、ということ。たとえば、今週末に旅行を控えているとつい節約モードになるように、「貯金」を思い出し続ければ、お金の使い方が変わっていくのです。
スマホのアラームやカレンダー通知、LINEで自分に送るメッセージなど、方法は何でもかまいません。大事なのは「忘れたまま月末を迎えない」仕掛けをつくること。意志の力に頼らず、環境で貯金を後押しする――これが現代の賢いお金の守り方です。
意外かもしれませんが、たった月に1回の「リマインダー」も効果的だということです。実際、研究では、「貯蓄残高が6%増」「目標達成が3ポイント増」につながったと報告されています。
(注4)Karlan,D.,McConnell,M.,Mullainathan,S.,&Zinman,J.(2016).Getting to the top of mind:How reminders increase saving. Management Science,62(12),3393-3411.・【エチオピア農村から学ぶ!「貯蓄目標」と「自信」が鍵になるお金の魔法】







