この動きの背景には、かつて世界の空に君臨し米国の威光でもあったパンアメリカン航空(パンナムと呼ばれ親しまれた)のような、圧倒的な存在感を誇る「超・最強エアライン」を再び誕生させたいという執念にも似た渇望が透けて見える。
かつて「空の女王」と言われたパンアメリカン航空 Photo by Koji Kitajima
中東と中国の3メガキャリア台頭が脅威に
アメリカン、ユナイテッド、デルタ航空の米国3メガキャリアは、長らく世界の空においても不動のトップ3であり続けてきた。しかし近年、その地位はかつてない脅威にさらされている。
まずエミレーツ航空やカタール航空といった中東勢が、国家の全面的なバックアップを受け、豪華な機内設備やサービスと巨大な乗り継ぎ空港を武器に、長距離路線のシェアを奪ってきた。さらに、中国国際航空、中国東方航空、中国南方航空の中国3メガキャリアも、政府補助金を活用して驚異的な勢いで国際線への攻勢を強めている。
米国勢にとって、これら国営に近いキャリアは公正な競争を阻む「目の上のたんこぶ」である。燃料価格の高騰や人件費の増大に苦しむ米民間企業が、国家予算を背景に飛ぶライバルに勝つのは容易ではない。カービー氏が抱いているのは、このままでは米国の航空産業が造船業や鉄鋼業のように衰退の一途をたどるのではないかという、強烈な危機感であろう。
エミレーツ航空のキャビンクルー Photo by Koji Kitajima







