お子さんの興味のベクトルが、自分自身から周りの人々へと向かい始めたとき、それは心が大きく成長している素晴らしい証拠なのです。

「ゲームが欲しい子」と
「ゲームを作る子」の違い

 この違いを、子どもたちに身近な「ゲーム」を例に考えてみましょう。「最新のゲームが欲しい」という子の動機は非常にシンプルです。そのエネルギーは、手に入れるまでの「欲しい!」という気持ちに支えられています。そして、念願のゲームを手に入れた瞬間、最高の喜びと共に、その動機は達成され、役目を終えます。もちろん、ゲームをプレイする楽しみは続きますが、「手に入れたい」という強力なエネルギーは、もうそこにはありません。

 では、「自分が作ったゲームで、友達を驚かせたい」と考え始めた子はどうでしょうか。彼の挑戦は、そこから始まります。どうすれば面白くなるかを考え、うまくいかずに何度もやり直し、試行錯誤を重ねるでしょう。

 その努力を支えているのは、「友達が喜ぶ顔が見たい」という、自分以外の誰かの存在です。そして、ついに完成したゲームを友達がプレイし、「うわ、これ面白い!」と声を上げて笑ってくれた瞬間、お子さんは、ゲームを買ってもらった時とは比べ物にならないほどの、深く、そして温かい喜びを感じるはずです。

 その「面白かったよ!」という一言が、次なる挑戦への、何よりも強力なエネルギーとなります。「次はもっと難しいステージを作ろう」「今度は、あの子が好きそうなキャラクターを登場させよう」。友達の笑顔が、次の創造への尽きることのないエネルギーを生み出すのです。

 このように、子どもの内発的動機が「自分」という小さな世界から、「他者」や「社会」という広い世界へと繋がったとき、そのエネルギーは一時的なものから、お子さん自身を生涯にわたって支え続ける、持続可能な「使命感」へと進化していくのです。

プラレール好きが高じて
社会貢献に発展していく

「僕はプラレールをぶどう農園で走らせます!」

 放課後のアフタースクールでそう語ったのは、まだ小学3年生のせいくんでした。プラレールが大好きで「もっと多くの人にプラレールで遊んでほしい」という情熱を胸に秘めていました。