稲盛和夫氏京セラ創業者の稲盛和夫氏 Photo:Bloomberg/gettyimages

「経営の神様」と呼ばれ、京セラとKDDIという2つの大企業を創業し、JAL(日本航空)を奇跡的に再建した稲盛和夫氏。その経営哲学「稲盛フィロソフィー」は、今も多くの経営者にとっての聖典であり続けている。「熱烈中華食堂 日高屋」の創業者である神田正会長もまた、稲盛氏の哲学に共感する経営者の一人だ。従業員に自ら保有する株式を贈与するなど「分かち合う資本主義」を実践する。そんな神田会長と稲盛氏の衝撃的な出会いとは――。ハイデイ日高創業者の神田正会長に取材した。(取材・構成/小倉健一)

「どっかの親父が偉そうに」
衝撃の出会い

 私は、生前の稲盛和夫さんと直接お会いした経験があります。一度だけではなく、何度かお会いして、一緒にお酒を飲んだこともあります。

 最初の出会いは、私がまだ若く、店が10軒ぐらいの頃でした。知り合いの経営者に誘われて、ある経営塾(盛和塾)に参加したのです。

 そこで塾長だと紹介されたのが、稲盛さんでした。でも、私は当時、稲盛さんのことをまったく知りませんでした。業界も違います。「どっかの親父(おやじ)が偉そうにしているな」と、それぐらいにしか思っていませんでした。後で稲盛さんの来歴を聞いてびっくりしましたが(笑)。

 その塾で、私が事例発表をする機会をいただきました。私はもう、夢中で話しました。「将来、株式を公開したいんだ」と。

 発表が終わると、司会者が「塾長のコメントをお願いします」と言ったら、稲盛さんが私をじっと見て、一番にこう言ったのです。