当社(ハイデイ日高)は、ジャスダックに株式公開したとき、時価総額が60億円でした。それが今、1100億円を超えている。この価値を作ったのは誰ですか? 毎日、現場で汗を流してくれている社員と、パート・アルバイトさんたちでしょう。
私は創業者ですから、株をたくさん持っています。でも、もう80歳を過ぎて、これ以上、個人的にお金は必要ないのです。使い道もありません。
それなら、この価値を作ってくれた従業員のみんなと「分かち合う」のが当たり前ではないでしょうか。
だから私は、2018年と2023年の2回、合計で8億円ぐらいの私個人が保有していた自社株式を、社員やパートさんたち約1100人に無償で譲渡したのです。これは「ありがとう」という、私からの感謝の気持ちです。
法人は生き続けるが人間には寿命がある
社員が幸せにならなければ意味がない
ハイデイ日高の創業者・神田正会長
私はいつもこう考えています。ここにある「ハイデイ日高」という法人は、よほどのことがない限り、100年でも200年でも続く「不死身」のような存在です。
でも、そこで働く社員は違います。30年、40年も働けば、みんな定年を迎えて辞めていき、やがては亡くなっていく。人間には寿命があります。
そうした時に、「この会社(法人)のために、社員が犠牲になってはいけない」というのが、今の私の考えなのです。
法人なんていうのは、放っておいても生き続けるのです。それよりも、限りある時間を使って働いてくれている社員が幸せにならなければ意味がありません。だから私は「会社の犠牲にならないでくれ」と言っているのです。
会社が貯め込む「内部留保」は
月商の3カ月分もあれば十分
財務的な話をすれば、会社が貯め込む「内部留保」は、月商の3カ月分もあれば十分だと銀行の方も言っていました。うちの場合なら150億円ほどでしょうか。それ以上のお金を、会社がただ溜(た)め込むことに何の意味があるのでしょうか。
あまりに溜め込みすぎると、外資や「物言う株主」に狙われることにもなりかねません。投資の対象として見られ、会社が切り売りされるようなことになれば、それこそ社員が不幸になります。
ですから、必要な分だけ残して、あとは社員に配る。社員にお金が渡れば、彼らは消費し、旅行に行き、家を建てます。そうやってお金が回ることで、日本経済も良くなっていく。これが経済の基本ではないでしょうか。







