女性3人の後ろ姿写真はイメージです Photo:PIXTA

「女子優遇に慣れてしまうと、社会に出てから苦労する。逆説的だが、本当に実力で勝負したい女子こそ女子大へ」「女子大ならではの特徴はありますか? 私の答えは『ありません』です」前々回では名門女子大の凋落を、前回は現状に対する女子大OGたちの率直な意見を紹介した。それでは、現在女子大で教えている教員はどう感じているのか?本記事では、教員・OGたちの声を紹介するとともに、今後女子大が生き残るために必要な価値について考えていく。(コラムニスト 河崎 環)

女子大の人気低下・淘汰は共通認識

 今回の調査で、いただいた回答のすべてに共通していたのは、「女子大は淘汰が進む」との冷静な認識だ。もはや既定路線である女子大淘汰、その中で各校は何を自分たちの価値として生き残っていくのかが問われているが、女子大OGの中にも、女子大の価値そのものに対してかなり厳しい視線を注いでいる人がいる。

 カトリック系女子大OGであるKさん(50歳、コンサル)は「良くも悪くも箱入り娘ばかりでのんびりしていた。宗教学に触れたことで視野が世界に広がった」と振り返りつつ、「自分に娘がいても女子大への進学は勧めない」とバッサリ。

「同性だけのグループのほうが生きやすく、自分の能力を発揮できるという女の子にとっては必要な場所かもしれないが、“女子大らしさ”は日本の国力の低下とともに、すでに失われている。十数年前から学生たちは、部活動をする余裕もなく、学費のためのアルバイトと就活のための資格取得に必死のよう。私は体育会OG役員として現役の競技生活を支援してきたが、所属していた部は部員が集まらず10年近く前に廃部となった。女子に限定していれば学生の募集もままならず、経営的にも厳しい」と、母校の痩せ細りを指摘する。

「それに、私の学生時代も外から見た女子大のイメージは決して良いものばかりではなかったはずで、コネのない私は就職活動に死ぬほど苦労した」との吐露は、かつて一部の女子大がいわゆる良家のお嬢様の受け皿として機能し、個人の純粋な能力そのものよりも“コネ”などのコミュニティ的特権によってステイタスが守られていた側面を思い出させる。それはもちろん女子大に限ったことではないのだが、この意味での“女子大らしさ”は、確かに日本経済の失速とともに目にしなくなったかもしれない。