女子美術大学、男性教員が見た“シェルターの可能性”

 最後に、女子大で実際に教える教員の皆さんは、日々どう考えているのだろう。

 実はOG回答の初めの方でご紹介したAさんは女子大教員でもあり、「共学大学と同様、(女子大の)数は減るが、残るところは残る。時代に応じて、求められる学びを提供していくべき。偏差値が下がっているのは残念だけれど、それだけで評価されるのは違う。学生たちは本当にのびのびと学んでいる」と、“中の人”の思いを記している。

「多感な年齢の間に、性別を意識せずに振る舞い、性別を規定されずに自分を成長させる環境としてあるべきで、これまで同様、社会で活躍する卒業生を出していくことが大事。男女の賃金格差、意思決定する場に女性がいないなど、ジェンダー平等にはまだ道半ば。社会のシステムにダイバーシティの視点を組み入れ、社会を変えようとする若者は、女子大で多く育つと思っている」(Aさん)

 異色なところで、女子美術大学で教鞭をとる男性教員のPさんは、「女子大で教えていて困ったことは、男性用のトイレが少なく、トイレに行くにはフロアを移動する必要があるぐらい」とトボけつつ、「女子大でかつ美大というポジションは、世界中を見てもまれな大学であるので、女性が安心感を持って発信・表現することを学ぶ大学として引き続き存在していくといいと思う」と、女子美の揺るぎない強みに信頼をおく。

「雰囲気的に、大学の中がシェルターのような安心感がある。そのような雰囲気の中で、学生は自分の表現したいことを自由に表現している。美術系の大学であるが、競争やライバルという雰囲気はなく、学生同士お互いがお互いのファンのような優しい空気が流れている。このような環境の中で女性の心をつかむようなコンテンツが生まれてくる可能性を感じる。今のオタク女子、腐女子のトレンドについて深く知ることができて、同年代の男性にはなかなかできない経験をしているが、そのようなコンテンツは日本発で、世界をリードできると考えているので、それが生まれる場所にいることができてよかった」(Pさん)