
校長、直美の髪形が気になる
朝ドラ主人公を経験したことがある者だからこそ語れる、実感の伴った後輩主人公たちへのエールである。
見上愛さんと上坂樹里さんには感じたまま自由にのびのび演じてくれることを期待したい。
さて。りんと直美が教室を探して歩いていると、生徒らしき人物、工藤トメ(原嶋凛)が直美を先生と間違えて看護師養成所の場所を尋ねてきた。
「あんまり堂々としてたんでてっきり」という言葉にりんは「確かに」。やっぱり散切り頭に黒系の着物が女学生のイメージとかけ離れているのだろう。先生というより浪人。先生的といえばいわゆる金八先生ヘア。作り手がそんなことを思い浮かべていたかはわからないが。
構内の裏手にあった養成所の校舎はずいぶんと急づくりな感じ。この感じに既視感が……。警察ドラマで主人公が配属された部署が、署内では重要視されていなくて地下とか離れとかに追いやられているパターンだ。『虎に翼』でも寅子(伊藤沙莉)の所属する家庭裁判所設立準備室が法曹会館の屋上のペントハウスのような場所にあった。
朝10時、教室に集まったのは7人の女性たち。2列になった席で、りんは前列の中央、直美は後列の端、廊下側に座る。座り位置に性格が出ている。
女学校校長で養成所の所長を兼任する梶原敏子が挨拶。演じている伊勢志摩さんは、『あまちゃん』(13年度前期)でのフレディ・マーキュリーのコスプレに強烈なインパクトがあった花巻珠子役だった。
梶原は「これまでこの国になかったトレインドナース、看護婦という職業を確立する第一歩を皆さんが担うのです。それはすなわち、皆さんの歩む道こそが、日本の医療の、発展……発展の道なわけです。わけですが〜」と真面目に語っていたが、途中で「あのちょっといけませんね」と話を中断する。
「私、あなたの髪形が気になって全く話に身が入りません」と正直に吐露。髪形とは直美のそれだった。この時代、女性が髪を短く切ることはタブー視されていた。「尼さん?」と思われたのは女性が髪を切るときは俗世から離れるときだったのだ。







