女子7人集まれば…「女子のなれ合いうっとうしい」

 ここで、直美が大胆な金八先生ヘアになった理由が語られる。

「髪を切ったのは、ただ煩わしいと思ったからです。己の出自や自分の未来を考え、悩むのも、髪と一緒に断ち切りました」

 いままでの自分を断ち切って養成所に入った理由はこう。

「私のような何も持たない女が生きていくためには、トレインドナース――看護婦になるしかないと思い、この養成所に入りました」

 梶原は「大家さんの看護への熱意はよく分かりました」とあっさり受け止める。え? 看護への熱意?

 いや、突っ込むまい。ここでわかったのは梶原の懐の大きさだ。直美のざっくりした説明のなかに、彼女の生きたいという切実さを感じたのだろう。

「この養成所に来てよかった。正しかったと思えるものに、皆さんがおのおのでなりましょう」と7人に語りかけた。

 教室には、この人格者らしい梶原と、寮の舎監で看護以外の教師の松井エイ(玄里)がいるが、肝心の看護の先生は、この日、授業がないためいなかった。

 これから、りんと直美ほか第1期生7人は寮生活をはじめる。

 起床は朝5時、就寝は夜10時。日曜は休日、外出できる。門限は夜7時。

 毎日の炊事は2人ずつの当番制で献立も考えて提出する。

 共に暮らす部屋に集った7人は自己紹介をはじめる。

 りんと直美以外の5人の設定を簡単におさらいしておこう。

 玉田多江(生田絵梨花)…旧幕府の奥医師の娘で、兄と弟も医者。看護師になるにあたり並々ならぬ思いがある。
 泉喜代(菊池亜希子)…キリスト教徒で結婚経験あり。32歳で最年長。
 東雲ゆき(中井友望)…子爵令嬢で女学校から養成所に転入。
 柳田しのぶ(木越明)…日本橋の呉服店の娘。看護師の服のかわいさに引かれて入学。
 工藤トメ(原嶋凛)…津軽の農家出身。20歳で最年少。

「恵まれた日本橋の呉服屋の美人姉妹の四女」と説明、それもやけにポジティブな装飾がつく柳田の話し方がおもしろい。目ざとい彼女は所作からりんの家柄を見抜く。そのやりとりが興味深かった。

 真剣な人、なんとなくの人と看護師に対するテンションの違いがあって、

「なにこのやりとり」
「女子のなれ合いうっとうしい」

 などと早くもギスギスが……。

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