高市政権の姿勢は「法的評価は難しい」としつつ、「事態の早期沈静化」を軸にアメリカへの支持を維持するという現実主義的な立場だった。
「ホルムズ派遣なしで米国支持」の絶妙さ
3月19日の日米首脳会談でトランプ大統領はホルムズ海峡での協力を求めた。だが、事務方は事前に日本の国内事情を明確にしており、高市首相は自衛隊の艦船派遣を確約せず、「日本の法律でできること、できないことがある。詳細にきっちり説明した」と述べた。
この「派遣なし・支持あり」という方程式こそが、高市外交の真骨頂だ。
日本は集団的自衛権の行使に制約があり、米軍の軍事作戦への直接参加は法的ハードルが極めて高い。その事実を正直に説明しながら、米国産原油の日本での備蓄共同事業や重要鉱物の開発協力を打ち出し、「エネルギー市場を落ち着かせる提案を持ってきた」と語った。
トランプ大統領はこれを「NATOと違い、日本は責任を果たそうとしていると確信している」と評価した。ホルムズ海峡での協力に消極的な欧州の同盟国と日本は違うというトランプ大統領の認識が固まった瞬間だった。「軍を出せないが、政治経済で貢献する」。
日本の現実を逆手にとった高市首相の交渉術は見事だった。
大胆に中国シフトしたスペイン
欧州の中でも、特にトランプ大統領との対立を深めたのがスペインだ。
上述したように、サンチェス首相はイラン攻撃を「国際法違反」と公然と非難し、米軍によるスペイン国内基地の使用も拒否。トランプ政権との溝は修復困難なレベルにまで達している。
サンチェス首相は4月13~14日に訪中し、習近平国家主席と会談した。サンチェス首相は北京の清華大学で講演し、中国が「より多くのことができる」として、イランやウクライナの紛争終結への関与を促した。
習主席は「世界が弱肉強食の時代へ逆戻り」しないよう国連中心の国際システムを守るべきだと強調し、「中国とスペインは道義を重んじる国だ」と述べて連帯感を演出した。







