ポーターは、企業が競争優位を確立するための道として「コスト・リーダーシップ戦略」「差別化戦略」「集中戦略」の3つを示しています。

「差別化戦略」は字からイメージするような、単に何か違ったことをする、のではなく、付加価値向上により、(可能であれば)割高な価格を訴求できることが本質になります。

 保育園の場合、認可保育園の保育料は所得に応じて自治体が設定する上、無償化が進みつつあり、低価格による競争は基本的にできません。

 また、法的に保育士の配置が義務付けられている現場での人件費を中心とする固定費ビジネスの構造からも「コスト・リーダーシップ戦略」は取りにくいのです。

 となると、保育園が選ばれるための道は「差別化戦略」か「集中戦略」ということになります。

 実際に、保育園の取り組みを見ると、保育園の幼稚園化ともいえる、プログラミング教育、英語教育や食育、スポーツ、自然体験プログラムといった独自カリキュラムの導入(差別化戦略)や、医療的ケア児・発達障害児への専門的な支援に特化する動き(集中戦略)が目立ちます。

 PLCのフレームワークが示唆するもう一つの重要な特徴は、成熟期以降に業界再編が加速するということです。

 保育業界でも2026年1月のAIAIグループ(113施設)によるきららグループホールディングス(75施設、食育に特徴)の買収にみられるように、この動きが顕在化しています。