プロダクトライフサイクルで読み解く
保育業界の「現在地」

 この構造変化をMBAのフレームワークで整理してみましょう。

 ここで役立つのが「プロダクトライフサイクル(PLC)」です。これは、製品やサービスの市場が「導入期→成長期→成熟期→衰退期」の4つのステージを経て変化するというモデルです。

 保育業界にこのフレームワークを当てはめると、現在の状況が非常にクリアに見えてきます。

 2000年代から2010年代半ばまで、女性の就業率の上昇と保育ニーズの急拡大を背景に、保育業界は明らかに「成長期」にありました。それまで、社会福祉法人などに限られていた認可保育園の運営が株式会社にも解禁され、JPホールディングスなどの新規参入が相次ぎました。

 しかし、2021年をピークに利用児童数は減少し始め、業界は「成熟期」の曲がり角にあります。成長期の戦略が「いかに供給を増やすか」だったのに対し、成熟期以降は「いかに選ばれるか」が生き残りの鍵になります。

 一般に、成熟期に入ると市場の成長が鈍化する中で競争は激化し、事業者の淘汰も進みます。いま保育業界で起きている倒産・廃業の増加は、PLCが示す典型的なパターンそのものかもしれません。

保育園の生き残り戦略とは?
業界再編が進む納得の理由

 では、これからの保育園はどうすれば生き残れるのでしょうか。

 ここでマイケル・ポーターが提唱した「3つの基本戦略」のフレームワークを使って考えてみましょう。