村木局長を挙げれば手柄になる
「動機がないなら締め上げて作れ」
稟議書の偽造容疑ですでに逮捕されていたB係長も、同じ容疑で再逮捕されました。
取調室で逮捕を告げられた時、家族の連絡先を訊かれたので、バッグの中の携帯電話を取り出し、電話番号を調べるふりをして、こっそり「たいほ」の3文字を打ち込んだメールを夫に送りました。漢字に変換する余裕など、ありませんでした。
検察内部では、Bさんを最初に逮捕した段階で「村木逮捕」を決めており、「村木には動機がないから、Bを勾留期間で締め上げて証拠(=調書)を作れ」ということになっていたようです。
彼らにとっては、係長より課長、課長よりは部長と、より上のポジションにいる人を検挙するほうが手柄になります。
本当は、私の上司だったAさんを逮捕し、そこから石井議員の検挙まで行きたかったはずですが、Aさんはすでに厚労省を退職していたので、たいした手柄にならないと思ったのか。石井さんは国家公安委員長などの要職を歴任した民主党の大物議員なので、怖かったのか、無理だと思ったのか。
それはわかりませんが、「政治家がダメでも厚労省の現職局長を挙げれば手柄になる」と判断したのだと思います。
逮捕後は、移送車で大阪拘置所に連れて行かれました。幸い、移送車の窓はカーテンで覆われていて、外から私の姿は見えないようになっていましたが、無数のフラッシュが焚かれているのがわかりました。
この事件を通して最も大きなショックを受けたのは、翌日、勾留手続のために裁判所へ行く際、逃亡を防止するために手錠をかけられ、腰縄を着けられたことです。自分が犯罪者として扱われていることを実感し、「この姿は家族に見せたくない」と思いました。
検事の目的は真相解明ではなく
被疑者に「やった」と言わせることだけ
勾留手続は、検察官から勾留の請求を受けた裁判官が被疑者の言い分を聞き(勾留質問)、勾留すべきか釈放すべきか判断する手続で、非公開で行われます。







