19年間、骨格をいっさい変えていない
フェルディナント・ヤマグチ(以下、F):デリカD:5は、2007年のデビューから早19年。一世代どころか、二世代も前のプラットフォームと言わざるを得ません。ですが実際に乗ってみると、最近のミニバンと比べても決して遜色がありません。ミシリという異音もなければ、高速域での直進安定性も高い。この「寿命の長さ」の秘訣はどこにあるのでしょう?
三菱自動車工業 第II車両技術開発本部 車両運動システム開発部 4輪統合制御設計 担当マネージャー 加藤 智さん(以下、加):それこそが「リブボーンフレーム」と呼んでいる構造です。ボディの断面をぐるりと一周つなげた「環」の構造を、AピラーからB、C、Dピラーと、計4カ所に配置しています。広い開口部を持つミニバンはねじり剛性や曲げ剛性が不足しがちですが、このロの字の環状構造を4カ所にしっかり造ることで剛性を確保しています。
三菱自動車工業 第II車両技術開発本部 車両運動システム開発部 4輪統合制御設計 担当マネージャー 加藤智さん Photo by AD Takahashi
F:モノコックですよね。フレームではない?
三菱自動車工業 PO(Cross Carline)担当部長 柴田直之さん(以下、柴):モノコックです。ただ、通常のSUVなどはそこまで大きな環状構造を持たない。ミニバンの大きな空間を支えるという意味で、いわば大黒柱を面で全体を支えるような構造がリブボーンフレームです。
三菱自動車工業 PO(Cross Carline)担当部長 柴田直之さん Photo by A.T.
F:その2007年時点の基本設計に、将来のことを見越した部分はありましたか?
柴:いえ。実は開発当時、骨格の評価基準がミニバンにしては相当厳しかったんです。悪路で片輪が浮き、ボディに大きなねじれ入力があった際でも、スライドドアが普通に開閉できること。このハードルを2007年の時点でクリアしていたことが、結果として今でも通用する土台になりました。
F:2019年のビッグマイナーチェンジでは、骨格に手を入れましたか?
加:結論から言うと、入れていません。2007年のデビュー当時から、基本構造は変えていません。
F:全く変えていない。重いディーゼルエンジンを載せて、最新の安全装備もどっさり追加して、それでも?







