「グラベル」「スノー」は、名前に縛られず使ってほしい

F:グラベルを普通の道で使っても大丈夫なんですか。

加:全然OKです。グラベルモードにすると、ハンドルのしっかり感、直進の安定感が明らかに変わります。特に風が強い日などは効果がわかりやすい。スノーモードも、雪道以外でも、雨の日で少し滑りやすい時に使うと運転しやすくなります。名前にとらわれず、いろんな場面で使ってみてほしいです。危なくなることは絶対にない。ぜひ試してほしいですね。

F:こういう名前を決めるのって本当に大変ですよね。

加:ここは本当に悩みます(苦笑)。毎回わかりやすくしようと思うと、どうしても具体的な場面を連想させる名前になる。でも具体的になりすぎると、「そのシーン以外では使えない」と思われてしまう。4WDロックというのは、マニアにしかわからない名前でした。ネーミングはなかなか難しいです。

F:ぬかるみなどでスタックした時には、ASCを切ると聞きました。

加:そうです。ぬかるみや深雪でスタックした際、ASCがオンだとトルクを絞ってしまう。脱出しようとしているのにシステムが邪魔をしてしまう。そういう時だけオフにして、ある程度タイヤを掻かせて脱出する。決してヤンチャに走れという意味ではなく、スタック脱出用として残しているものです。

F:S-AWCを入れることで、以前のデリカでは行けなかった悪路に入っていけるようになりましたか? より行動範囲は広がった?

加:いえ。走破性そのものはほぼ変わっていません。今回、左右輪間トルクベクタリングを追加したので、操縦性が向上しました。特に滑りやすい路面での、思った通りに曲がれる安定感が上がっています。

柴:私もテスト走行に同行したのですが、制御だけでこれほど変わるのかと驚きました。雪の圧雪路の凸凹したシーンで、旧型は微妙にステアリングを当て続けないといけない場面があった。新型はスーッと自然に通過できる。制御が変わっただけで、これほど安心感が違うのかと。「大進化」と言っていいと思います。

S-AWCを入れることで、デリカD:5は格段に走りやすくなったS-AWCを入れることで、デリカD:5は格段に走りやすくなった Photo:Mitsubishi Motors

F:最後に一つ。とはいえデリカも今年で20年です。繰り返しの質問になりますが、次の世代のデリカはどんなクルマになるのでしょう?話せる範囲でお願いします。

柴:先ほどもお伝えしたように、PHEVへの要望はネットでもよく見ますし、ニーズはあると思っています。加藤も言いましたが、我々は「できないことはない」と思っています。ただ、ディーゼルの排ガスをクリアするためのデバイスがたくさん必要で、そこにバッテリーとモーターが加わると、コストも重量もかなりのものになります。