イライラしやすい、気分が落ち着かない、なんとなく疲れやすい――それを性格や忙しさのせいだけにしていませんか。実は心の安定は、食べ方や栄養の偏りにも左右されます。
東京農業大学で栄養について長年研究し、医師としても活動する田中越郎氏の新刊『医者が教える 栄養学的に正しい最高の食事術』をもとに解説します。

【医者が教える】ストレスを感じたときにおすすめの食べ物ベスト1Photo: Adobe Stock

ストレスには「レバー」がおすすめ

誰しも平穏な精神状態でいたいはずです。

平穏な精神状態のときには、脳は神経細胞同士の伝達がきちんと行われており、自律神経ではリラックス作用を持つ副交感神経の方が優位になっています。

この2点を促進させる食べものや食べ方をお伝えします。

脳では神経同士の連絡は、伝達物質をやりとりすることにより遂行されています。

脳の伝達物質にはたくさんの種類があり、その代表がセロトニンとドーパミンです。

セロトニンは怒りや焦りなどの感情を抑制する効果があるため「幸せホルモン」とも呼ばれています。

どちらもたんぱく質から作られ、特に動物性たんぱく質から効率よく作られます。

とはいえ、「動物性たんぱく質をたくさん食べると、ストレスに強くなれる」というよりは、動物性たんぱく質が不足するとストレスに弱くなってしまう可能性があるという方が正確です。

動物性たんぱく質の代表が肉・魚・卵・牛乳・大豆などです。

大豆は植物ですが、大豆のたんぱく質だけはその組成が動物のものとよく似ていて、大豆たんぱく質イコール動物性たんぱく質(良質のたんぱく質)とみなして結構です。

その他に不足するとストレス耐性が減弱する栄養素に、ビタミンB1、ビタミンC、鉄などがあります。

ビタミンB1はぬか漬けや豚肉、ビタミンCは野菜果物、鉄はレバーなどに多く含まれています。

特にレバーは鉄だけでなく、たんぱく質やビタミン類もたくさん含んでいるので非常にすぐれた食べものです。ぜひ時々レバーを食べましょう。

なお、ここでの「レバー(きも)」とは肝臓のことです。やきとりのハツ(心臓)やすなずり(砂肝、砂嚢)は肝臓ではありません。

(本記事は、書籍『医者が教える 栄養学的に正しい最高の食事』から一部抜粋・編集した記事です。)