映画監督・脚本家の長久允氏の著書、『あなたにしか作れないけれど、世界に通用してしまう 脚本の教室』の刊行を記念して、マルチタレントの佐伯ポインティ氏との対談イベントが、青山ブックセンター本店で開催されました。「あの日の『恥ずかしい失敗』も救われる?」「イレギュラーな人生のおもしろがり方」と題して繰り広げられたイベントの模様を、全3回でお届けします。(文/飯室佐世子、撮影/武田浩明)

脚本の教室

初対面はちゃんぽん屋さんで

長久允(以下、長久):こんばんは。映画監督で脚本家の長久允と言います。よろしくお願いします。
 ポインティさん、おひさしぶりです!!

佐伯ポインティ(以下、佐伯)わ~よろしくお願いします!
 普段YouTubeやPodcastで発信してます、マルチタレントの佐伯ポインティです。

長久:肩書き、マルチタレントなんだ。俳優もやってるよね?

佐伯:そうなんです、でも始めたてなので、網羅できる感じでマルチタレントって言ってます!

脚本の教室佐伯ポインティ(さえき・ぽいんてぃ)
マルチタレント
1993年生まれ、東京都出身。早稲田大学文化構想学部卒業後、株式会社コルクにマンガ編集者として入社。2017年に独立し、2024年からは「佐伯ポインティの生きる放題ラジオ!」をポッドキャストで配信中。

長久:そっかそっか! 今日は「あの日の『恥ずかしい失敗』も救われる?」「イレギュラーな人生のおもしろがり方」ということなんですが。

 実際、会うの3回目くらいですよね? 初対面は数年前に渋谷で、ポインティさんが映像化の事業をしてた頃に、「どんなコツがありますか?」って声をかけてもらって。

佐伯:どうやってこの映画作ったんだろう!? と思って、DMしたんですよね。
 そこで、好きなシーンにかけて、ちゃんぽん屋さんに行って。

長久:めっちゃ美味しいちゃんぽん屋さんで、2時間くらい永遠に蒸し餃子焼き餃子蒸し餃子…。
 その後もランチしたりね、な縁なんですけど。

手紙みたいな本だった!

佐伯:今日は長久さんの本の出版イベントですよね! 読みましたよ! 『あなたにしか作れないけれど、世界に通用してしまう 脚本の教室』

長久:ありがとうございます!

佐伯:これ、脚本を書こうと思っていない人が読んでもおもしろい本ですよね。なんか、「手紙みたいな文章だな」って思ったんですよ!

 長久さんが昔の自分だったり、物語に興味がある人に向けて書いている感じがして。自分は書くつもりないって人でも、なんか熱くなる。

長久:映画を撮り始めた32歳の頃の話とかも書いてるから、おのずと過去の自分に向けた手紙みたいなものなのかも。

佐伯:めっちゃ背中押してくれる本でした。映画を10万円から作る方法とかもしっかり書いてあって、映画、え、作っちゃう? みたいな(笑)。

長久:作ってほしい! 一般的な脚本の書き方の専門書って難しすぎるんだけど、僕が普段書いているはちゃめちゃな方法を書いたので。

 ただの映画オタとして、僕が好きな、「はちゃめちゃでへたっぴだけどこれがやりたいんだ!」みたいな声のある映画が増えてほしくて。

脚本の教室

佐伯:はちゃめちゃ!(笑)
 本の中で僕が素敵だなって思ったエピソードが、長久さんが日本のとある街で起きたとある事件を取り上げた映画を、海外の映画祭で見た80歳のおばあちゃんが「これは私の物語だ」って言ったっていう。

長久:そうそう、ありがたいよね。
 実際は、埼玉県狭山市の15歳の女の子が起こした事件を映画にしているから、まったく共通点はないんですけど、夏の狭山市の話を、冬のユタ州の80歳の方が「It’s my story!!!!」って。

佐伯:うわー、いいな。そういう個人的な話こそが、誰かの心に刺さるんですよね。

*第2回は4/29(水)公開予定です。