ただし、私は「2007年前後」が最も難度が高かったと言い続けています。約20年前は、首都圏の私立中は250校前後であり、公立中高一貫校ができ始めた頃でもあります。

 それから開校や体制変更をして人気が出た学校も多く、現在では300校以上の学校が受験可能となっています。また、学校数が増えただけではなく、学校改革に成功し偏差値に関わらず選ばれる学校が増えてもいます。

 もちろん最難関校は易しくなっていないという反論もあるかと思いますが、それらの学校は昔も今も入学する生徒が一握りであるのは変わりません。

「入試問題が難化しているので、勉強が大変」説
→難化は事実だが、選択肢は増えている

 私の専門は国語ですが、扱われている素材文が、大人が読むような新書から出題されるようになったり、文章が長くなったり、資料や図表を絡めた出題が増えていたりと難しくなっているのは事実だと思います。算数も以前は最難関校で出題されていたような問題が、中堅校でも定番問題として出題されているといわれますが、それもその通りです。

 ただし、全ての学校が同じように難しい問題を出題するようになっているわけではありません。

 大学附属校では合格最低点は高い傾向にありますが、基本問題中心に出題である学校が多いですし、2科目や算国の単科受験、中学受験塾で習っていることを前提としていない入試形態の学校も増えています。また、午後入試や即日の合格発表など、受験をしやすい状況に変化しているのも忘れてはなりません。

 これらを考え合わせると、「塾のサービスの質も量も良くなっているし、入試の仕組みも受験生ファーストになっているのに、上手に取捨選択ができていない」というのが、つらく苦しい中学受験期間になっている原因の一つになっているということができると思います。

 食べる量も個人差があるし、食べる必要がない料理も並んでいるのに、「元を取ろうと、ビュッフェの料理をとにかくたくさん食べようとする」現象に似ているのではないでしょうか。

 もちろん、難関校を目指すのであれば、難しくなっている問題に向き合う必要性も出てきます。しかし、前述の通り、偏差値に関わらず学校の教育姿勢や取り組みで選ばれている学校が増えているので、選択肢自体は増えているはず。まずは、わが子にとって何が大切なのか、親子で考えて学校、そして塾選びを検討することをおすすめします。