QRコードを利用する
情報やり取りシステム
高尾氏はすでに、インターネットを使わなくとも患者と医療側が情報をやり取りできる仕組みを構築済だ。
「インターネットを介さずQRコードを使って、電子カルテと患者さんのスマホをつなぐ方法を考案しました。
ネットとかに載っているQRコードにスマホのカメラをかざすと、読み取ってウェブサイトに飛ぶじゃないですか。あれ、WEBアドレスが書いてあるんですよ。あれと同じで、日本語だと最大2000文字程度の情報をオフラインでも載せることが可能です。
2000文字以上の情報を送る場合には、QRコード2号、3号と作ればいい。無限大に送ることができます」
使い方は簡単で、患者のスマホ情報を電子カルテに移動させるときには、
(1)スマホで入力した情報をQRコード化する
(2)電子カルテ側でQRコードを読み取る
(3)電子カルテに反映させる
逆に、電子カルテ情報を患者のスマホに移動するときには、
(4)電子カルテ上の情報をQRコードにして印刷
(5)患者さんのスマホで読み取ってもらう
(6)スマホに電子カルテの医療情報が取り込まれる
「画像を送る場合には、画像を一時的にアップロードしたアドレスをQRコード化して読み取ってもらい、ダウンロードできるようにするだけです。この方法なら、間に中間サーバーを挟み、電子カルテとインターネットを直接つなぐことなく、情報のやりとりができます。セキュリティの問題がクリアできる。
その上、患者さんが自身の情報管理の主体となるので、従来のように、病院側がそのつど同意書を取らなくとも、患者さん自身が必要な情報を提供できるようになります」
個人情報の保護が重視される現代社会では、何をするにも同意書や委任状が必要になるし、面倒でもそれらを省略するのはセキュリティが脅かされる危険があって怖い。でも、患者自身が情報管理の主体となるこの方法なら、手間なく、安心に情報のやり取りができそうだ。
「患者が持っているデータをAIで解析できるようにすれば、さらにいろんなことがわかるじゃないですか。管理しているのは患者さん自身だから、いちいち同意を取る必要もない。PMHRが広がれば、日本の医療は質も利便性も飛躍的に高まるでしょう」
(取材・文/医療ジャーナリスト 木原洋美、監修/高尾洋之)
高尾洋之
脳外科医、東京慈恵会医科大学・脳神経外科学講座/同・先端医療情報技術研究部 准教授。デジタル庁アクセシビリティ担当 プロジェクトマネージャー







