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「国策に売りなし」という証券用語があるが、高市政権の防衛力強化方針を受けて注目度が高まっているのが宇宙関連だ。特に「衛星コンステレーション」は防衛力強化や災害対策、インフラ管理など宇宙利用の観点で期待が大きい。技術革新が進み、イメージ先行のテーマから「実態が伴った骨太テーマ」に変わりつつある。連載『株式相場の歩き方』の本稿では、衛星コンステレーションの現在地を解説しつつ、注目すべき5社を取り上げる。(経済ジャーナリスト 和島英樹)
高市政権下で関心が高まる宇宙・衛星関連
防衛省と民間企業連合が事業契約の締結も
「成長のスイッチを押して、押して、押して、押して、押しまくってまいります」――。高市早苗首相の施政方針演説を受けて、あらためて注目を集めている高市関連銘柄。
中でも、足元で注目したいのは宇宙関連だ。防衛力の強化や、民間での宇宙利用の観点から衛星コンステレーションへの関心が高まりつつあるからだ。
コンステレーションとはもともと「星座」を意味する単語である。人工衛星の分野では全地球規模で衛星を「星座」のように多数機配置して、協調動作させるシステムのことを指す。地球全体をカバーし、高頻度で観測することにより、災害時の被害状況の把握、平常時のインフラ管理などへの活用が見込まれる。
宇宙関連銘柄は過去に話題になったこともあるが、近年になって開発費コストなどの課題をクリアしつつある。2026年2月には防衛省と民間企業連合が事業契約を結ぶなど、実用化も進み始めている。イメージ先行のテーマから、実態が伴った骨太テーマに変わってきているのだ。
すでに地球の周回軌道から撮像された地表の画像は、インターネット上で一般的に見ることが可能になっている。実際、100キログラム以下の小型衛星が数億円単位と比較的安価で開発できるようになったことから、米国などでは衛星を多数打ち上げて、数時間以内に地球上の広範囲な光学画像を低コストで提供するサービスやビジネスが進んでいる。
ただし、光学画像の場合、撮れるのは昼間の晴天時に限られているという問題があった。夜間や雨、曇りでは撮影できず、また、東南アジアのような多湿の地域でも鮮明な画像が得られにくい。
その点については、衛星搭載の合成開口レーダ(SAR)の開発でクリアできるようになった。SARは雨や雲で大きな減衰を受けずに透過できるマイクロ波を活用した地球観測の手法だ。
JAXA(宇宙航空研究開発機構)宇宙科学研究所の資料によれば、衛星搭載SARでは500キロメートル以上の高度からマイクロ波を放射して、地表から反射されてくる微弱な信号を受信することが可能になった。強みが異なる光学衛星とSAR衛星が補完し合うことで、精度が高まっている。
大型のSAR衛星は送信高周波電力が大きく、撮像感度を上げるために大きなアンテナが必要で、開発コストも100億円以上必要だった。これについても、小型の衛星アンテナの開発や打ち上げ費用の低廉化などでコストを削減。小型化には開発スピードの加速、多数の衛星を打ち上げることによる高頻度な観測といったメリットもあるという。
「国策に売りなし」という言葉があるが、日本の宇宙関連、衛星関連企業は飛躍できるのか。政府の後押し、技術革新、ベンチャー企業の台頭……、宇宙・衛星関連の注目度は日増しに高まっている。次ページでは防衛省の二つの文書の内容や衛星関連の最新の動きを解説しつつ、大企業から気鋭のベンチャー企業まで宇宙、衛星関連で注目の日本企業5社も紹介する。







