一方で、年間300万円以上の決済を日常的に行っている層にとっては、特典維持に加えて新たに5000マイルが付与されるなど好機であり“改良”ともとらえられる。

ANAとJALのマイレージ戦略に
違いはあるのか

 今回の転換からは、ANAが「非」航空事業を拡大させたい狙いが透けて見える。キャッシュレス決済の「ANA Pay」、電力サービス「ANAでんき」をはじめ、保険や通信、ECなど広範囲の生活関連サービス分野に進出している。クレカで年間300万円は単なる決済ハードルではなく、こうしたANA経済圏への参加を促す会費のように考えているのではないだろうか。

ANAさん、そこまでやるか!マイル修行「改悪」がしんどすぎて涙目になる…Photo by Koji Kitajima

 一方で、実はJALも同様に優良顧客の評価軸を変えている。24年頭から始めた「JAL Life Status プログラム」は、JALカード決済額に加えて、金融の「JAL NEOBANK」やキャッシュレス決済「JAL Pay」の利用、「JAL Mall」での買い物、ふるさと納税や保険の利用実績など、暮らし全般のサービスを横断的に積み上げて評価する仕組みだ。

 言い換えれば、「JALのサービスをどれだけ日常生活の中で使ったか」が問われる設計になっている。この点で、ANAは300万円という“明確なライン”で選別し、JALは利用行動の“総量”で評価という違いが浮かび上がる。

「座れない」「行列」「静かに過ごせない」
ラウンジ混雑で不満噴出を解決する?

 マイレージ関連の制度変更を語るうえで外せないのが、空港ラウンジの混雑問題だ。利用者の間では、「ラウンジなのに座れない」「軽食に行列ができている」「静かに過ごせない」といった不満が以前から噴出していた。本来、ラウンジとは上級顧客のための快適な空間だが、会員増加によって、その価値が相対的に低下していたのは否めない。