スズキ「e VITARA」、ここがイイ!&ここがちょっと……

 それでは最後にこのクルマの○と×を。

■スズキe VITARAのここが( ・∀・)イイ!

1.上質な乗り心地:スズキ初のEVねぇ……と軽く見て乗ると、激しく裏切られます。静かでどっしり、入力の角も丸い。荒れた首都高を走っても足がバタつかず、車体が落ち着いている。単に「EVだから静か」なのではなく、クルマ全体の仕立てとして上質です。

2.重さを味方に:今回試乗したZ 4WDは車両重量1890kg。従来のスズキ感覚では完全に重量級ですが、その重さが鈍さになっていません。床下バッテリーの低重心を、直進安定性や乗り味の厚みに上手い具合に変えています。軽さで戦ってきたスズキが、重さを商品力に変えた点は評価すべきでしょう。

3.スズキの新しい方向性:インド生産、トヨタ陣営との共同開発、LFPバッテリー採用と、e VITARAは従来の「軽く、簡潔で、スッパリ割り切った」考え方とは違うクルマです。勝ち残り生き残る方法を選び、必要なところにきちんとコストを使う。スズキらしくBEV時代に向かった大いなる一歩でしょう。

■スズキe VITARAのここはちょっとどうもなぁ……(´・ω・`)


1.高めのお値段:試乗したクルマの車両本体価格はZ 4WDで492万8000円。オプション込みだと507万1440円。「5」から始まるスズキの見積書はそれなりにインパクトがございましょう。乗れば納得なんですけどね。やはりビビりますわね。

2.内装の質感:走り出すと非常に上質で、乗り味には500万円級の説得力は十分にある。だがしかし。室内は“高級”とは言い難い。決して安っぽいわけではありませんが、触れる部分の質感や細部の仕立てにはスズキ“ならでは”の割り切りが残ります。走りが良いだけに、このあたりのギャップが気になります。

3.軽さを捨てたスズキ車をどう見るか:軽快なスイフト的世界感を期待すると肩透かしを喰らいます。良くも悪くも重厚でどっしり落ち着いたクルマです。もちろんそこが最大の美点なのですが、「スズキらしい軽さ」や「スパッとした身軽さ」を求めると、最初は少し違和感があるかもしれません。

 来週は、e VITARAの開発者インタビューをお送りします。お楽しみに!

(フェルディナント・ヤマグチ)

日本カー・オブ・ザ・イヤー「10ベスト」にも選出されたe VITARA

 こんにちは、AD高橋です。

 e VITARAは2025年9月に日本で発表され、2026年1月に発売されたスズキ初の量産BEVです。発表年度の「2025-2026日本カー・オブ・ザ・イヤー」の10ベストカーにも選出されました。

 また、RJCカー・オブ・ザ・イヤーでは「世界100以上の国と地域へ投入されるグローバルモデルでありながら、日本の多様な道路環境や降雪地域にも対応できるボディサイズや4WD仕様を備え、誰にでも扱いやすいクルマづくりを実現した点」が評価されて、特別賞を受賞しています。

e VITARAは全部で3タイプ用意されているe VITARAは全部で3タイプ用意されている(プロトタイプ試乗会でのオフィシャル写真)