EV「リーフ」以上に、日産のV字回復への期待が高い

 日産の配布資料には「ミニバンも意のままに操れる」という表現があったが、確かにテストコースを数周走行する中で、走ることがドンドン楽しくなってきた。

 車高が高い大型ミニバンは、重心が高く、重量が重く、ドライバーの視点が高い。そういった要因でクルマとしての動きに制約がある中で、より軽快に動くよう自動車メーカー各社が改良を加えてきたカテゴリーだ。

まるでスポーティカーのような走りをする新型「エルグランド」まるでスポーティカーのような走りをする新型「エルグランド」 Photo:Nissan

 そうした常識と一線を画す走りといえるほど、新型エルグランドの動きは独特だ。

 ひとことで言えば、「スポーティ」。もっと踏み込むと「グランドツーリング」という表現が妥当だろう。

 大型ミニバンは、どんなに改良しても大きな箱としての「ドンガラ感」がどうしても消えなかったが、新型エルグランドはまるでスポーティカーを操るような感覚で乗れる。

 だからこそ、走行シーンやドライバーの好みで選択できる6つのドライブモードで、それぞれのモードの差をドライバーはすぐに認識することができる。

 ドライブモードは、パワートレイン、回生ブレーキ、ステアリング、サスペンションの設定の組み合わせが変わる。

走行シーンやドライバーの好みに応じて六つのドライブモードが選べる。クルマとしてのベースがしっかりしているため、ドライバーが各モードでの差分を実感しやすい走行シーンやドライバーの好みに応じて六つのドライブモードが選べる。クルマとしてのベースがしっかりしているため、ドライバーが各モードでの差分を実感しやすい Photo by K.M.

 大型ミニバンをこうした商品に仕上げることが実に“日産らしい”。また、経営再建計画「Re:Nissan」の締めくくりである2026年度において、新型エルグランドは次世代の日産に向けたゲームチェンジャーであると、その走りの仕上がりから確信した。

 次世代の日産へのゲームチェンジャーに「リーフ」の名前を挙げる人もいるが、リーフはEV(電気自動車)の先駆者としての使命があり、新型では大きな幅で正常進化したと言える。

 一方、新型エルグランドは、現行エルグランドとは別物だ。

 単にトヨタ「アルファード」「ヴェルファイア」をライバル視するのではなく、大型ミニバンの新たなる可能性を切り開いた大型ミニバン。それが、新型エルグランドである。

 なお、価格については本稿執筆時点では未公開。e-4ORCEを前提とした4WDをベース車とすると、FF車である現行モデルやアルファード・ヴェルファイアのエントリーモデルと比べてかなり高価になることが予想される。