ところが、商標登録の記録からは、3年前どころか、東京菓子時代の大正6年(1917年)に、すでに同社に「アポロ」のロゴマークが存在したことが分かる。

 デザインは、ギリシャ神話の太陽神・アポロン像そのものだ。大正11年(1922年)頃に、同社のビスケットに使用されていたようである。

100年以上歴史のある
文明堂のロゴマーク

P33同書より転載

 カステラの文明堂といえば、「カステラ一番、電話は二番、三時のおやつは文明堂」のキャッチフレーズ、カンカンダンスを踊るクマのキャラクターの印象が強い。

 しかし、全体で「文」の字を形作り、スペースに「明」「堂」そして創業家の苗字「中川」を配した技巧が光るこのデザインも、現在までに100年以上、文明堂のロゴマークとして長い歴史を持つ。

 文明堂は、洋菓子店で2年間修業を積んだ中川安五郎が、明治33年(1900年)に長崎で創業したのが始まりだ。その名は、かつて中川が見かけた「明文堂」という印刷所の看板を由来とする。

 これを逆さまにして「文明」とすれば、文明開化を歓迎する時代に合致し、また普遍性もあることから、中川は「ゆくゆく独立開業する時には文明堂の看板を掲げて活躍したい」と展望していたという。

道頓堀で有名なキャラメル菓子
「グリコ」の命名秘話

 グリコのマークといえば、「ゴールインマーク」と称される、大阪・道頓堀のネオンサインでもお馴染みの江崎グリコの基幹商品「グリコ」のパッケージの図柄だろう。

 江崎商店(現・江崎グリコ)創業の大正10年(1921年)から100年以上も使われている、由緒あるマークだ。

 創業者の江崎利一は佐賀県の出身で、家業の薬種業から、商業登記の代行、葡萄酒の販売を経て、40歳を前に大阪でグリコ事業を立ち上げる。「グリコ」の由来は、江崎がかねてより注目していた、牡蠣の煮汁に多く含まれる栄養素の「グリコーゲン」で、これを縮めて江崎が命名した。

 今でこそ親しまれている名だが、耳馴染みのない化合物名に由来する商品名は周囲から反対され、「グリコキャラメル」にすべきとの意見が多かったという。