齋藤:ドジャースのエースである山本由伸投手もランナーは出しても得点を与えない安定感があります。それこそ、東洋思想の中でも非常に重要な脱力術という技だと思います。
pha:社会では効率や生産性が求められるので、脱力よりも集中力の話ばかりになってしまいがちですよね。そんな中で脱力を意識するのは難しいのかもしれない。
力みのない状態を作るには
瞑想の練習をするといい
齋藤:東洋思想では瞑想が重要視されています。瞑想というと、普通はひとり静かになって無心になるというものだと思われがちです。しかし、私は瞑想とは「止」だと思います。だから何かを研究する時は静かな雰囲気の中にいるイメージを思い浮かべて意識を一点に集中して瞑想するようにしています。
例えば、私は水泳の潜水にハマっていました。なぜなら潜水をしていると、水中は外の世界と少しだけ隔絶されます。その感覚にちょっと似ています。
高校生の頃、テニス部だったのですが、うまく打ち返そうと思えば思うほどミスするようになってしまった。社会人ならゴルフでも多分あると思います。パットでもイップスになる選手の話などもありますが、それに近い状況です。
そこで取り入れたのが瞑想です。授業中に心身を力みのないフラットな状態に保つ練習をしていました。呼吸を整えて、息を長く吐いていくとフラットな状態になるというふうに思って時計を見ながら1分、1分半にし、2分近くなるような長息を目指しました。
そうすると、徐々に呼吸をしていない状態に近づきます。ひと息鼻から吸ったら、あとは1分ぐらいかけてずっと息を吐き続けます。すると静けさがずっと続くという状態に陥ります。これが私の瞑想の基本です。
私は最初に息を吸った瞬間に意識が乱れると思っていましたが、練習していると乱れが少なくなりました。この時代に瞑想的な心のあり方を練習して身につけたことで、高齢に差し掛かった時でも、その意識の状態が自然になっています。すると心の中に静けさを保つことができるようになります。







