問題解決のためにする
会話には限界がある

3 問題解決とAI(編集部注/アプリシエイティブ・インクワイアリー、肯定的に価値を見出す探求)の違いに気づこう:問題解決が得意な人は、今までの人生で、そのスキルで獲得できたものも多いだろう。その有効なスキルを捨てろと言うつもりはない。ただ、AIのアプローチのほうが効果的な場合もあることに気づいてほしい。従来型の問題解決アプローチと、AIの違いは、実際に経験すればわかるはずだ。今日明日にでも、以下を何度か試して、その差を実感してみてほしい。

・人といるときに、わざと問題を指摘してみよう。解決策を考えたり、問題解決のための質問をして、相手の反応や返答を観察しよう。問題解決型の質問は、悪い点、機能していない箇所とその理由を問うものが一般的だ。そうした会話のダイナミズムに注意して観察してほしい。微妙なボディランゲージや、会話のトーンとベクトルもチェックすること。同様に、誰かが問題を指摘した場合には、解決策のブレーンストーミングをしつつ、会話の流れの変化を意識しよう。

・次に、生成的な質問を投げかけて、意図的にポジティブなフレームへと転換しよう。生成的な質問とは、見えないものを可視化し、共有理解を創出し、新たなナレッジを生み出し、可能性を広げる問いかけだ。他の人が問題点を指摘した場合にも、生成的な質問を投げかけて、会話の重点をフリップ(反転)させよう。

 たとえば、「このプロジェクトは、既存の設計ではうまくいくわけがない」と指摘されたならば、「どんな変更を加えたら、うまくいくかな?」などと生成的な質問を返す。ここでも、会話のダイナミズムがどう変わるかに注目しよう。ボディランゲージの変化、活気の変化、会話のトーンやベクトルの変化を意識しよう。相手が解決したい問題について話しかけてきた場合には、こうした生成的な問いかけが特に効果的だ。まず、相手が本当に望むことが何なのかを確認するのも良い。

・会話のやり方の違いで、あなたや周囲の人の気持ちや感覚は、どのように変わっただろうか。問題解決が得意な人が、AIの会話を身につければ、鬼に金棒かもしれない。会話の参加者にとってはどうだろう。全員の関係性を強化できるのは、どちらのアプローチだろう?全員が入りやすい会話はどっち?よりイノベーティブな解決策が出るのは、どちらだろう?