土居によれば、甘えたい気持ちがそのままに受け入れられないとき、「すねる」「ひがむ」「ひねくれる」「恨む」といった心理が生じ、そこに被害者意識が含まれる。

 すなわち、素直に甘えさせてくれないから「すねる」わけだが、すねながら甘えているとも言える。その結果として、「ふてくされる」「やけくそになる」というようなことになる。

 自分が不当な扱いを受けたと曲解するとき「ひがむ」わけだが、それは自分の甘えの当てが外れたことによる。

 甘えないで相手に背を向けるのが「ひねくれる」だが、それは自分の甘えの期待に応えてくれなかったと感じることによる。

甘えが拒絶されると、相手を攻撃し始めることも

 甘えが拒絶されたということで相手に敵意を向けるのが「恨む」である。

 このように甘えが思うように通じないとき、すねたりひがんだり恨んだりするわけだが、そこには被害感情がある。

榎本博明『【新装版】かかわると面倒くさい人』書影榎本博明『【新装版】かかわると面倒くさい人』(日経プレミアシリーズ)

「わざわざ言わなくてもきっとわかってくれる」「こっちのことを気にかけてくれているはず」と期待しているのに、そうした甘えの欲求が阻止されたときに、欲求不満による攻撃性が生じる。

 甘えが拒絶されたことによって生じる怒り反応。

「なんで汲み取ってくれないんだ」
「わかってくれたっていいじゃない」
「わざわざ言わないとわからないなんて、酷すぎる」

 といった反応が、甘え型の攻撃性の発露ということになる。

 攻撃的な態度は甘えとは正反対のもののように思うかもしれないが、じつはそれらが同じ根っこから生じていることもあるのだ。