ポケモンの会話を全部Bボタンで早送りしていたから、読むのが早くなったんじゃないかと言われるくらいです。

 本も嫌いではありませんでしたが、どちらかというと娯楽として読んでいて、『グレッグのダメ日記』や『マジック・ツリーハウス』が特に好きでした。小学校の頃は内向的で、友達はいてもグループの中心ではなく、少し離れたところから全体を見ているようなタイプだったと思います。

化学や生物の実験に
夢中になった中高時代

 中学受験を経てサレジオ学院に進学しました。中学生の頃は勉強が得意で、いつも成績は上位にいました。理系の科目が特に好きで、化学や生物の実験を見ているとわくわくしました。勉強そのものよりも、わからないことを調べるのが好きだったように思います。理科室の匂いとか、試験管に反応が起こる瞬間の変化とか、そういう小さな「発見」に心が動きました。

 高校に入ると、もともと興味を持っていた科学の世界にさらにのめりこんでいきました。中学3年間はテニス部で部活動に打ち込んでいましたが、高校では別のことをやってみたいと思い、生物部に入りました。生き物を育てたり観察したりすりるのは小さい頃から好きで、自然と惹かれたのだと思います。

 そして、生物部に入って最初に取り組んだのが、自分の東大推薦でのプレゼンの根幹になる「キンチャクガニ」という珍しいカニの研究でした。最初のきっかけは、テレビの『ダーウィンが来た!』で見て、「なんだこの生き物は」と思ったことでした。キンチャクガニは、ハサミの先にイソギンチャクを持って歩くカニですが、「なんだそれ!?」ってビジュアル的に驚いたんです。

 そういうわけで、生物部の仲の良い友人たちと3人で研究を始めてみたのですが、キンチャクガニは想像以上に謎が多い生き物でした。どんな環境で生きているのか、何を食べるのか、どうしてイソギンチャクを持っているのか、わからないことだらけでした。

 そのため飼育環境を整えるところから手探りで始めたものの、うまくいかずに何匹も死なせてしまいました。そのたびに申し訳なさを感じながら、それでも原因を探して実験を続けました。