マーケティングとは地味で地道なもの

  こうしたマーケティングを続けていき、2年目で1000万人を突破したわけですが、それが花開いていくのは開業5年目からだったのではないかと思います。

 4年目まで1000万人台だった入場者数は、6年目から急激に上向き、一年で100万人も増えていくようなカーブを描いていくようになるのです。開業10年目には、実にこのスケールで1.5倍、およそ1600万人もの入場者数を獲得するに至りました。

 これは、たとえば当たり前ですが「初めて来た人」だけでは絶対に到達できません。一度足を運んでくれたお客さまが二度、三度と来てくださってはじめて、この数字を達成できたのです。

 ディズニーが行っている「マーケティング」というと、いかにもお金がかかって派手なものというイメージがあるかもしれません。
しかし、このご紹介した「商圏」「行脚」などは、どれも地道なものです。すぐ目に見えて効果が出るものでもありません。大きなインパクトがなく、意外に思った方もいらっしゃるかもしれません。

 しかし、この地道さこそがゼロから1000万人を集客した、その確かなベースになっていました。「派手さ」ばかりではなく、小さくとも、決して見逃してはいけないポイントに注意を向けることも大事なのだ、と私は学びました。


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ISBN 978-4-478-02245-2

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