年齢を重ねると、濃厚でボリュームたっぷりな洋食より、あっさりした和食が恋しくなるもの。ただし、和食は塩分の高さが気になるという人もいるだろう。書籍『疲れやすいオトナ女子を救う あなたの食習慣を変える100の提案』の著者で管理栄養士の星穂奈美さんに、和食中心の献立でも、少しでも減塩につなげられる食習慣のコツを教えてもらった。

「味噌汁に牛乳」が、実は健康維持に“正解”な理由Photo: Adobe Stock

和食に潜む“塩分問題”

 和食は、洋食と比べカロリーが低く、また栄養のバランスが良いとされる一方で、味噌や醤油といった調味料の使用や、漬物、干物などによって塩分の摂取が多くなりがちです。

 例えば厚生労働省が推奨する1日の食塩摂取量は6.5g未満ですが(※1)、味噌汁1杯に含まれる塩分量は約2g。これだけで1日の推奨量の約3分の1に相当します。

 高血圧は「サイレントキラー」と呼ばれるほど自覚症状がないことが特徴です。慢性的な塩分過剰は、高血圧を引き起こす原因に。ただ、醤油や味噌などを控えて薄味にするだけだと物足りなさを感じてしまうため、それを解消する減塩の工夫として、「乳和食」がおすすめです。

(※1)成人女性
 

和の食習慣を減塩につなげる工夫

「乳和食」は、和食に牛乳などを取り入れることで、減塩しながらもおいしさと栄養価を高める食のスタイルです。酪農乳業関係者による業界団体や栄養士を中心に、2010年代頃から推奨されてきました。

 日本人の食生活において課題とされる塩分の過剰摂取だけでなく、カルシウムとたんぱく質不足の両方にアプローチできるため、高血圧予防と骨粗しょう症対策として注目を集めています。

【乳和食のメリット】
・塩分過剰とカルシウム不足の同時改善に期待。
・高血圧予防や骨粗しょう症対策に役立ち、無理なく続けられる。
・出汁+乳製品+素材の旨みの相乗効果で、塩分控えめでも満足感のある味わいに仕上がる。

味噌を減らし、牛乳で栄養とコクをプラス

 例えば、味噌汁に牛乳を加えることで、塩分を減らしてもクリーミーで深みのある味に仕上がります。決まったレシピはありませんが、出汁で煮た野菜などの具材に味噌を加え、仕上げに牛乳を入れるだけ。味噌は、通常の1人分の量を5~6割程度に抑え、その分、好みの量の牛乳を入れましょう。
 なお、乳製品ではありませんが、牛乳の代わりに豆乳を使うアレンジも私はおすすめしています。牛乳と比べカルシウムは減りますが、植物性たんぱく質や大豆イソフラボンを摂取できます。

 また、魚の味噌漬けにヨーグルトを使うのもよいでしょう。味噌を通常の半分程度に減らし、ヨーグルトをまぜて漬けて焼くだけです。味噌とヨーグルトは、1対2.5程度の割合で。

※参考資料:『日本人の食事摂取基準(2025年版)』厚生労働省(2024年)

(本稿は書籍『疲れやすいオトナ女子を救う あなたの食習慣を変える100の提案』を一部抜粋・編集したものです)