クロスロードは
時代を先取りしすぎた!?
コンパクトSUVへの注目が高まったのは、日産自動車の「ジューク(2010年)」やホンダ の「ヴェゼル(2013年)」が登場してから。2000年代はトヨタやスズキもコンパクトSUVを発売していましたが、そこまで盛り上がってはいませんでした。
クロスロードは時代を先取りしすぎたあまり、短命に終わってしまったのです。
「クロスロード」のインテリア 写真出典:本田技研工業(ホンダ)拡大画像表示
そこから一転、再評価の機運が高まり始めたのは2010年代後半ごろ。当時の中古車市場では、少し古めのクルマを改造し、クラシカルな雰囲気を強調する“カスタム”がブームになっていました。
当時は大手中古車販売店も、「ランドクルーザー80」や「ハイエース」をベースに、「丸形」や「角目4灯」のヘッドライトを採用したレトロ風のカスタムモデルを販売していました。フェンダー周辺をスリムにする「ナローボディ化」も人気でした。
小規模な中古車店の間では、さらにマニアックなカスタムが流行。ボディ全体をアースカラーに塗り替えたり、バンパー表面をざらざらした質感に加工する「ラプターライナー塗装」を施したりと、ハードなイメージを強調した中古車を売り出すようになりました。
こうしたカスタムを最初に手掛けた某人気ショップが、ベース車両として選んだモデルの一つがクロスロードだったのです。
「クロスロード」のハンドル周り 写真出典:本田技研工業(ホンダ)拡大画像表示
このショップがカスタムを施したクロスロードを販売したところ、「これ、いいじゃん!」と問い合わせが殺到。一気に注目度が高まりました。
すると、他の中古車店も流行に乗り、同じようにボディを塗装したクロスロードを相次いで販売。ファンの間でブームが急速に拡大しました。
ちなみに、アースカラーに塗り直したクルマが注目されていることを、本家のホンダをはじめ、自動車メーカーも見逃しませんでした。2020年ごろからは、他のSUVモデルでも純正色としてアースカラーを設定するようになったのです。
メーカーが純正色としてアースカラーを設定したことで、中古ショップにおけるカスタム車の販売台数は多少減少したそう。ライトユーザーを中心に、「新車で気に入った色のクルマを手に入れたほうが安心」と考えた人も多かったのでしょう。
中古車販売店のセンスで世の中の流行を生み出し、自動車メーカーまでその流れに乗る。まさに時代が動いた瞬間だったと感じます。







