直近のくら寿司USAについての日本経済新聞の記事をまとめてみると、このようなトーンです。

 くら寿司USAは2019年のナスダック上場当時、アメリカに20店舗程度しかなかったが現在は91店舗、そして2026年に100店舗を超える見込みだ。中長期の目標は300店舗。アメリカでの客単価は日本円にして約4400円で、日本よりは高額だがアメリカ人には割安に感じてもらえている。アメリカの主要25都市圏への出店は達成したので、これからは人口の多い50都市すべてに出店することが目標だと社長は語る、といった感じです。

 一方で興味深いことに、直近のくら寿司USAについて投資レポートを取り寄せてみるとより辛口の評価が書かれています。アメリカ人の株式投資家はくら寿司USAをどう見ているのでしょうか?

 レポートのトーンはこんな感じです。「くら寿司USAについて評価すべき点は直近の2026年第一四半期の決算が売り上げ、利益ともにアナリスト予想を上回ったことです。ただし悪い点としてはそもそも過去2年間、純損失が続いていること。そして売り上げは増加しているけれども既存店売り上げは頭打ちだという点です」というのが総評です。

 仮にくら寿司USA側が「今は投資の時期で利益よりも成長を優先している」と考えているにしても、既存店の稼ぐ力が弱いため、アナリストは「店舗数が増えていくことで赤字、すなわち資金流出が拡大していくのではないか」と懸念しているのです。

 日本で成功する回転寿司チェーンのビジネスモデルは、原価率の高さを武器にすることです。つまり品質の高いネタを安価に提供することで利用客の支持を得るというのが勝利の方程式です。しかし、アメリカの投資家はこの同じ話を「過去2年間の平均粗利率が16.5%と少ない。仕入れ先に費用を払いすぎている。営業利益率が過去2年間でマイナス3.1%なのはまだまだ多くの努力が必要なことを意味している」ととらえます。

 日本では原価率が高くても圧倒的なコスパを武器に客数を伸ばせるのが回転寿司チェーンです。しかしアメリカでは客数が伸びていないうえに、実はこの4400円という客単価はコスパ面では「お買い得とはいえず、むしろ競合するレストランチェーンと比較すると高い部類だ」ととらえられています。

 競合するレストランチェーンとは、日本人になじみのあるお店でいえばたとえばチーズケーキファクトリーやシェイクシャックといったチェーンの収益性と比較されます。