エスカレーター校 クライシス2#13Photo:PIXTA

「収容定員充足率」は大学が生き残れるか否かを測る、あるいは生き残れるか否かに影響する重要な数値である。ただ、そこには“数字のマジック”が存在し、必ずしも「定員充足率の改善」イコール「学生数の増加」にはならない。連載『教育・受験 最前線』では、連載内特集『エスカレーター校 クライシス2』をお届けする。#13では、過去3年で1回、大幅定員割れした大学16校の実名リストを公開するとともに、数字のマジックのカラクリを明かす。(ダイヤモンド編集部副編集長 臼井真粧美)

「定員充足率の改善」イコール
「学生数の増加」ではない

 全学年を合計した収容定員に対し在籍学生数がどれくらい埋まっているかを示す「収容定員充足率」(在籍者数÷収容定員)は、大学にとって生き残れるか否かを左右する重要な数値である。100%を切るというのは、定員割れを意味する。

 大幅に定員割れすると国から私学助成金をカットされたり、新学部の開設を制限されることもある。また、低所得世帯の学生などに修学支援金を支給するために国が設けた「修学支援新制度」が利用できる対象校から外されてしまう。助成金カットで収入が減り、学部新設を伴う改革ができなくなり、修学支援新制度が利用できないために進学先として選ばれにくくなる、それは大学淘汰時代に淘汰される側に回れと言われるようなものだ。

 そこでダイヤモンド編集部ではエスカレーター校を展開する学校法人が運営する250大学を対象に、過去3年分の収容定員充足率を算出した。本特集の#11では3年連続で収容定員充足率80%未満となった30大学(『消滅の瀬戸際に立つ大学がズラリ!3年連続で「大幅定員割れ」した30校の実名リストを大公開!!』参照)、#12では、2年連続で収容定員充足率80%未満となった21大学(『名門ブランド大学も“消滅予備軍”に!2年連続で「大幅定員割れ」した21校の実名リストを大公開!!』参照)について、それぞれリストを公開した。今回は、過去3年で1回、収容定員充足率80%未満になった16大学の実名リストを公開する。

 この16大学のうち14大学は、過去3年のうち最も直近の2025年度に8割を割った。つまり定員割れが悪化している厳しい状況だ。

 対して16校の中で1校、23年度は8割を切っていたのが、24年度は8割台、25年度は9割台にと年々改善しているところがある。ただ、これを在籍者数が増えたと単純には受け止められない。“数字のマジック”が存在し、必ずしも「収容定員充足率の改善」イコール「在籍者数の増加」にはならない。

 次ページでは、過去3年で1回、収容定員充足率が8割未満となった16大学のリストを公開するとともに、数字のマジックを明かす。