当時は、国民のタンパク質の摂取量が少なく、血管が、古タイヤのように破裂しやすい状態になっている人が多かったからです。
でも、栄養状態が改善されたいまでは、たとえ血圧が200になったとしても、動脈瘤がないかぎり血管が破裂することはまずありません。
では、何のために、血圧、あるいは血糖値やコレステロール値を下げることが推奨されているかといえば、多くは動脈硬化を予防するためです。
高齢者の血圧や血糖値は
“やや高め”が正解
しかし、どんなに生活習慣に気をつけていたとしても、高齢になれば、ほぼ誰にでも動脈硬化が起こります。
そして、すでに動脈硬化が起こって血管の壁が厚くなったあとでは、むしろ血圧や血糖値はやや高めにしておかないと、酸素やブドウ糖が脳に行き渡りにくくなります。
高齢になったら、「高血圧や高血糖と共存する」と考えたほうが、よほど合理的です。「ともに生きられない人」にありがちなのは、健康診断で検査データに少しでも異常があると、必死で正常値にもどそうとしたり、若いころなみの能力を保とうと躍起になったりすることです。
中高年のうちなら、それもまだ意味があると思います。でも、高齢になったら、健康診断の結果よりも、転倒しないことや、食事をしっかり摂ることのほうが、元気で長生きをするうえでとても意味が大きいのです。
「病気とともに生きる」が当たり前という発想になれば、老いを受け入れることも上手になります。
そもそも高齢者には、予期不安のようなもので本当の自分を押し殺している人が多いと感じます。歳をとってすっかりしおれた印象の人、輝きがない人の多くはそうだと思います。それはとてももったいないことだと感じます。
現在、1人で暮らす65歳以上の高齢者は、日本では670万人を超えています。
単身の高齢者が大きな事件を起こしたりすると、高齢者の孤立や孤独の問題がメディアでやたらとクローズアップされますが、独居の高齢者みんなが孤独感で追いつめられているわけではなく、孤独を上手に生きている人も何百万人という単位で存在しています。







