2018年の警察庁「自殺統計」の集計結果(厚生労働省作成)を見ると、高齢の自殺者において、男女ともに、独居の人よりも同居人がいる人の割合が高くなっていることがわかります。

元気に生きて最期を迎える
「孤独死」は理想的な死に方

 こうした傾向は高齢者に限ったことではなく、すべての年齢階級に見られるのですが、とくに高齢者の場合は、独居である孤独感よりも、同居の家族などに迷惑をかけているという罪悪感のほうが自殺につながりやすい、と推測することもできます。

 一人暮らしで誰にも看取られずに亡くなり、死後何日もたって発見される、いわゆる「孤独死」を恐れる人も多いのですが、死んで何日も誰からも発見されないということは、裏を返せば死の直前まで元気だった可能性が高いということです。

 というのも、いまは要介護認定を受けた高齢者であれば、ほぼ例外なく何らかの福祉サービスとつながっています。したがって、日常的に支援が行われるので、たとえ孤独死したくてもできないのです。自殺などのケースを除けば、孤独死は、「ピンピンコロリ」、すなわち直前まで寝たきりにもならず、元気に生きて最期を迎える理想的な死に方ともいえます。

「孤独」という言葉に過敏に反応して、「孤独死はしたくない」などと不安がるより、1人で生きることを楽しむほうがずっと有意義です。

 1人でいれば、家族などから干渉を受けず、自分の好きなことができます。

 たとえば、食事にしても、家族から「健康のため」という名目で口出しや制限を受けることもなく、好きなものが食べられます。家で何をして過ごしていようが、誰からも文句を言われることはありません。

 もちろん、孤独な高齢者は品位があって、そうでない高齢者は品位がないという、「孤独至上主義」的な意味で言っているのではありません。

 自分の考えをアウトプットすることが、高齢期にはとくに重要です。その意味においても、話し相手になってくれる人の存在や他人との交流が不可欠だと思います。