
最初の退場者は…
7人の見習いが全員、立派な看護婦になれるわけではないという厳しい現実。これから、一人抜けふたり抜け、していくのだろうか。
バーンズ先生の特別授業を経て、立ち直ったかのように見えたゆき。だが、彼女は密かにある決意を固めていた。
ゆきが病室の窓を開けるとウグイスが鳴いている。ゆきの大事なナイチンゲール先生の写真の前にあの折り鶴が飾ってある。
火屋を磨きながら、何かを決意したような表情をするゆき。
そして、ゆきは皆の前で「私、看護婦になるのは、やめることに決めました」と宣言。もう校長先生にも伝えたと決意は固い。そういえば校長先生(伊勢志摩)、全然出てこなくなった。
「華族のお嬢様が女学校を辞めてまで養成所に来るなんて、相当な覚悟だったんじゃないの? 私なんて、看護婦じゃなきゃならない理由も覚悟もなければ、そこまで好きでもないのにやってるわよ」
引き止める直美(上坂樹里)。
「それは直美さんが看護婦に向いているということですわ。無理をしなくてもできてしまう」
そういえば、フユ(猫背椿)も看病の仕事が「好きじゃないけどできるだけ」と言っていた。
この世では、好きなこととできることは違うことがある。それを見極めるのが、うまく生きる方法だ。ゆきは、人の生き死にに関わる仕事ができる人間じゃないと自覚。だとしたら患者のためにも、看護婦にならないことが誠実だと考えたのだ。
7人の見習いのなかから離脱者が出る。悲しい別れになりそうなところだが、ちょっと違う角度で落とす。ゆきが看護婦になろうと思ったのは、お宮で天の声を聞き、その声はナイチンゲールだと思ったことだった。りんがそれは気の所為(せい)だとここで指摘する。
多江「ナイチンゲール女史はまだご存命だもん」
喜代「空耳」
トメ「ゆきさん、いっぺん耳、診てもらった方がいい」
ゆき「病院で?辞めるのに?」
患者との別れには泣いたけれど、仲間とのお別れは笑顔で。
バーンズ先生だけは真面目にゆきを抱きしめる。
最後はみんなも泣きながら抱きしめた。鳥のさえずりが聞こえている。
筆者がゆきに感謝したいのは、ナイチンゲール先生の著書『看護覚え書―看護であること 看護でないこと―第8版』(現代社)を読んでみようと思わせてもらったことだ。








