オープンAI目標の時価総額は159兆円
SBGが巨額の利得を手にする可能性は?

 株式市場が足元の堅調さを維持した場合、SBGはIPOで巨額の利得を手にする可能性は高い。現在、オープンAIの企業価値は8520億ドル(約135兆円)といわれている。

 SBGの出資比率と、出資済みの金額(646億ドルと仮定)で計算すると、現在の投資収益率(利得)は71%〈(8,520億ドル×13%)÷646億ドル-1〉であり、投資収益率は十分高いといえる。

 報道によると、5月下旬にもオープンAIはIPO計画を非公開に規制当局に申請し、最短で9月の上場を目指している。目標の時価総額は、1兆ドル(約159兆円)とのこと。その場合のSBGの投資収益率は101%(約2倍)に上る。

 もっと強気に、IPO時点でオープンAIの時価総額が1.75兆ドル(約278兆円)に達すると予想するアナリストすらいる。その場合、SBGは同252%(約3.5倍)にも上るだろう。

 オープンAIのIPOが成功することは、SBGの手元の資金(流動性)の確保に重要だ。というのも27年3月に、SBGは400億ドル(約6.4兆円)の資金返済の期日を迎える予定だ。これは、オープンAIへの出資に借り入れた資金である。

 一方、IPOで期待ほどの利得を得られないと、投資家はSBGの資金繰りへの懸念を高めるだろう。同社の財務内容の悪化につながり、英アームなど他の資産の売却を余儀なくされるリスクが増すからだ。

 オープンAIのIPOは、SBGに資金を融資した日米金融機関の業績、社債を購入した投資家の収益にも無視できない影響を与えるだろう。SBGの株主にとっても同様だ。

 SBGがオープンAIのIPOで多額の収益を得ることができれば、スターゲート計画の成功に向けて、関連各社へのさらなる出資も議題となる。AI関連業界にとっても、SBGにとっても、最も重要なイベントになることは間違いない。

真壁昭夫さんのプロフィール