純利益5兆円で絶好調のSBG
半導体アームやPayPayも寄与

 現在、世界的に株式市場が堅調なこともあり、ソフトバンクグループの業績が良好だ。2025年度決算業績は、純利益が前期比4.3倍の5兆円となった。業績拡大を牽引した主な要因が、オープンAIの企業価値の増幅だ。

 同社の投資ポートフォリオに占めるオープンAIの割合は、25年3月末に約2%だったのが、26年3月には約25%に急増している。その他、半導体設計会社の英アームや、PayPayが米国市場に上場したことなども業績拡大に寄与した。

 孫氏は、アルトマン氏が今後も、世界のAI革命のリーダーになると見込んでいるようだ。これまでの投資でも孫氏は、出資先トップとの関係を重視してきた。

 例えば孫氏は2000年に、中国アリババグループの創業者であるジャックマー氏と会って数分で出資を決めたという逸話がある。アリババ株の価値の増加が、その後のSBGの成長を支えた。最終的にはSBGは、アリババ株を売却して新たな投資先に乗り移った。

 22年11月、アルトマン氏はChatGPTを公表し、AIの世紀の到来を高らかに宣言した。孫氏は、世界の主要な投資家の中でも、いち早くアルトマン氏の才覚を見抜いていた。24年9月からSBGはオープンAIに出資を始め、その後も投資を積み増した。

 25年1月、SBGはオープンAIやオラクル、中東の投資ファンドと連携して「スターゲート計画」を発表。その時点で、投資額は4年間で5000億ドル(約80兆円)に上っていた。SBGはオープンAIと共同で、企業向けにAIサービスを供給する新会社(クリスタル・インテリジェンス)も設立。また、スイスの重電企業ABBからロボティクス事業を取得してもいる。

 孫氏は、アルトマン氏による大規模言語モデル(LLM)の次の展開にも期待しているのだろう。恐らく、次の展開は、汎用型のAI開発とみられている。さらに、人類の知性を超越するといわれる、ASI(人工超知能)の開発もオープンAIがリードすると考えているようだ。

 米国でSBGは、ローズというAIロボット事業関連の企業を設立し、年内のIPOを目指しているもようだ。いずれも、オープンAIの推論モデルとの結合が念頭にあるだろう。オープンAIへの出資により利益を取り込み、それを原資にして、ソフトとハードの両面でAI関連の需要を同時に取り込む。それが、孫氏が巨額投資をする真の狙いだろう。