身だしなみを整えただけなのに…
製造業の技術者で管理職経験もある伊藤さん(仮名・68歳)は、応募した工場の職場見学を兼ねた面接で、終始なごやかで順調に進んだと思っていた。ところが、結果は不採用。これには心底驚き、ガッカリしたという。
伊藤さん自身は、「面接官の声のトーンが時折、沈んだ以外は気になることはなかった」と振り返る。しかし、さらに深掘りすると、いくつか不採用の理由が思い浮かんだ。
まずは、伊藤さんの服装である。明るめのブラウンのスーツをバシッと着こなしており、胸にはポケットチーフがのぞく。街で見かけたら、カッコいいシニア経営者にも見える。
良かれと思った服装が...(写真はイメージです) Photo:PIXTA
しかしながら、工場の応募者としては場違いだ。服装はTPO、すなわちTime(時間)、Place(場所)、Occasion(場合・場面)に配慮すべきものであり、面接時の逸脱は採用担当者が「うちの会社や仕事内容にミスマッチかも」と疑うため、不採用となりやすい。
伊藤さんは前職でずっと上司から「技術者とはいえ、きちんとした服装をしなければダメだ」と言われてきたという。年齢を重ねるとネイビーのスーツは「そんな新入社員みたいなの着るな」と言われたため、上司や先輩を見習って徐々に明るめのブラウンやグレーのスーツが多くなったそうだ。
同じ会社で経歴と役職を積み上げた立場ならば、貫禄のある服装でも適切かもしれない。が、60代でも転職すればその会社では新入社員。貫禄は逆効果となりがちだ。若手の新入社員と同じく、ダークネイビーやチャコールグレーのスーツなどが無難だと言えよう。
もう1点、伊藤さんが職場見学兼面接でミスしたと思われるのは、見た目の問題だけではなかった。発言についてもNGな内容や質疑応答をしていた可能性がある。







