FOMCの記者会見で記者の質問に答えるFRBのウォーシュ議長(6月17日) Photo:Federal Reserve
6月FOMC、「改革」に5作業部会設置
フォワード・ガイダンスの文言削除
トランプ大統領の指名を受けたケビン・ウォーシュ氏が、米国の中央銀行に当たる連邦準備制度理事会(FRB)の議長に就任した。ウォーシュ氏は長年、FRBの基本姿勢や政策の手法を鋭く批判してきた。
自身が2006年からFRBの理事に名を連ねた際は、当時のバーナンキ議長が主導した大規模な国債買い入れを好まず、11年に辞任した。21~22年の大幅な物価上昇については、外部から利上げの遅れを批判する急先鋒だった。
そのウォーシュ新議長の下で、金融政策を決める最初の公開市場委員会(FOMC)が6月16~17日に開催されたが、早くもウォーシュ流の一端をうかがわせた。
6月FOMCでは、政策公表文が大幅に簡素化され、従来、FRBが金融政策の方向性を示してきた「フォワード・ガイダンス」の文言も削除された。
直後の記者会見でウォーシュ議長は、外部の知見も取り入れる作業部会の立ち上げを宣言し、ただちにFRBの改革に取り組む考えを語った。
作業部会は、(1)情報発信のあり方、(2)バランスシート政策、(3)データの活用方法、(4)生産性と雇用の構造変化、(5)物価を評価する枠組み、の5つについて設置され、本年中をめどに一定の結論を出す見込みだ。
だが、とりわけ情報発信の大幅簡素化などは果たしてプラスの効果を生むのだろうか。
中東情勢は米国とイランの和平協議が始まったとはいえ、不透明感が残り、インフレ再加速の懸念は消えていない。AI関連需要の強さもあって、遠くない将来にFRBは利上げに動くとの見方が市場では強まる。
「ウォーシュFRB」が実際にどう動くかは経済・物価情勢次第だが、同時並行で進む改革の動きも政策に影響を与えるだろう。
現実問題として、FRBによる情報発信の大幅削減はマイナス面も大きく、金融政策運営自体にも支障が出る懸念がある。







