研究では、34名の健康な若年成人を対象に、「連続する足し算」をしながら「非利き手で渦巻きをきれいに描く」という課題を行い、その際の脳活動を計測しました。結果、この2つの課題を同時に行ったとき、双方ともに成績が大きく低下することが確認されたのです。
これは同時に行うという極端な例ですが、1つのタスクから別へ注意を移すにはそれなりの時間がかかると考えられています。いわゆる「マルチタスク」は、複数タスクへの注意の重なりがあり、作業成果が悪化しうると言っていいでしょう。
マルチタスクは一見、バリバリとスピーディーに仕事を片付けているように見えますが、実は脳を非効率に働かせて本来のパフォーマンスを抑制してしまいます。結果、脳疲労を起こしたうえに、仕事の結果も悪くなる……ということに。
ポモドーロテクニックで
「からっぽ」の時間を作ろう
脳科学的に見ると、脳疲労を予防しながら集中力を保つには、次の2つの要素が必要です。
(1)1つの作業だけに集中する
(2)適度な休憩をはさむ
この2つを実践するのにおすすめなのが、25分集中して5分休む「ポモドーロテクニック」。脳を疲れさせずに集中力を高める、優れた手法です。
同書より転載 拡大画像表示
ポモドーロテクニックは、単なる時間管理のコツに留まらず、脳を効率よく働かせるための科学的なリズムに合っているといえます。
「集中⇔休憩(からっぽ)」を繰り返すリズムは、デフォルトモードネットワーク(編集部注/ぼんやりとしている時に活性化する神経回路)とセントラルエグゼクティブネットワーク(編集部注/脳が集中してタスク処理を行う際に活性化する神経回路)を適度な時間と負荷で切り替えながら脳を働かせることになるため、脳疲労を起こさずに生産性高く仕事ができるようになります。
学校の授業が45分なのも同じ理由でしょう。長く集中しすぎると脳は疲労し、注意力が落ちてしまうため、あえて「からっぽの時間」をとることが不可欠なのです。
そのため、5分間の休憩にスマホやパソコンを見続けてしまうと、あまり意味がなくなります。やはり、休憩中は脳を「からっぽ」にしてあげることが必要。
できれば、1、2分でもいいので瞑想をすると理想的です。フル稼働させた脳を一度沈静化して「からっぽ」にすることで、リフレッシュ効果が高まります。







