瞑想のトレーニングは
スポーツの上達にも効果的

 脳を覚醒させる瞑想は、運動能力にもポジティブな影響を与えます。そのため、昨今は一部のプロスポーツ選手たちの間でマインドフルネスをとり入れる流れが見られるようになりました。

 バスケットボールのスーパースター、コービー・ブライアント選手もその一人。彼は、「一度静かな場所に身を置くことで、即座に反応できるようになる」と語りました。

 また、プロテニスプレーヤーのノバク・ジョコビッチ選手も、「攻撃性と静けさのバランスがとれるようになる」と、毎日の瞑想を継続していることを公言しています。

 2014年、アメリカンフットボールの祭典であるスーパーボウルで、マインドフルネスを導入したシアトルシーホークスが優勝したことも、大きな話題となりました。

 彼らは瞑想を、「ゾーンに入る」ための1つの方法として使っているのでしょう。

 ゾーンとは、極度に集中して最高のパフォーマンスが自然に発揮される心理的状態を指します。心理学や脳科学では「フロー状態」とも呼ばれており、雑念や自己批判が消失した、理想的なプレーができる集中状態のこと。

 マインドフルネスの瞑想で再現しやすくなるといわれており、実際に、それを裏付ける科学的なエビデンスも数々出てきています。

 その1つが、フランスのパリ・ナンテール大学が2022年に発表した研究です。

 アスリートの集中力維持を目的に開発したマインドフルネストレーニングによって、バスケットボールのフリースローの精度や卓球の技術が向上することが確認されました。同時に、トレーニングを忠実に行った選手ほど、その効果がより高くなることも分かりました。

 私の身の回りでも、スポーツジムのトレーナーが「トレーニングに瞑想をとり入れてから、クライアントのパフォーマンスが高まった」と語っていました。

 私自身、マラソンや自転車、水泳などのスポーツを続けていますが、瞑想の効果を実感しています。

『最高の脳リカバリー法 からっぽ瞑想』書影最高の脳リカバリー法 からっぽ瞑想』(久賀谷 亮、エクスナレッジ)

 体を動かすことで呼吸や心拍数が上がってきたところで、瞑想を挟む。そしてまた、運動を再開する。

 この流れが、「集中」と「休息(からっぽ)」の切り替えトレーニングにつながることで脳疲労をとり去る。

 私は、そう考えています。

 最近、どうもゴルフのスコアが振るわない。

 マラソンのタイムが伸び悩んでいる。

 そんなときは、練習のルーティンの中に瞑想をとり入れると、ブレイクスルーのきっかけになるかもしれません。