BYDもファーウェイも強いが「高く売れない」

 中国はすでに「世界の下請け工場」の地位から脱しつつある。BYD、ファーウェイ、シャオミ、ハイアール、レノボなど、世界的な競争力を持つ企業は着実に増えている。しかも、EV・電池・太陽光パネル・ドローン・家電・通信機器などの先端分野で中国企業は価格・品質・供給能力のいずれをとっても強く、大きな存在感を示している。

 だが、中国ブランドの多くは、「高くても欲しい」ではなく、「安いわりに性能がよい製品」として選ばれることが多い。この差は、収益面を考えると決定的な要素となる。

 ブランド力はもちろん知名度が高ければ良いというものではない。乱暴に言えば、同等の機能を持つ商品を、競合他社より高い価格で売り続けられるからこそ意義がある。アップルは高価格なiPhoneを世界中で売っているし、エルメスは何十万円から百万円を超える高価格バッグを短期間で完売させる実力がある。メルセデスはその値段がステイタスになっており、高いからこそ選ばれる面がある。

 これらのブランドでは、製品そのものよりも「ブランド信仰」が利益を生んでいる。これこそが真のブランド力である。

 中国企業には、生産力の高さや、供給網の規模、コスト競争力の高さなどで強みがあるが、これは常に価格競争に晒されており、利幅の薄い「薄利多売」の競争に陥りやすいことを意味する。高い利益率を安定的に確保し、世界市場でプレミアムとして受け入れられるブランドを持つという点では、まだ成熟国のトップ企業との間に大きな差がある。

 だから、輸出額は世界最大でも、輸出から得られる利益の取り分は小さく、所得収支も強くならない。しかも、一部の分野では、外資が投資して技術面を支えている場合も多く、その利益も外資がまとまった額を吸い上げ続けている。

「量は世界一、でも利益は出ない」というのが、現在の中国の輸出構造だ。