稲盛は「来年の賃上げは何パーセントというのは簡単だ。でも実現できなかったらウソをつくことになる。いいかげんなことはいいたくない」と胸の内を述べて、さらにこう説得した。
おれが信じられんというなら仕方ない。だが、辞める勇気があるなら、だまされる勇気を持ってくれないか
出典:『稲盛和夫のガキの自叙伝』(日経ビジネス人文庫)
出典:『稲盛和夫のガキの自叙伝』(日経ビジネス人文庫)
自宅で膝を付き合わせての交渉は3日間にも及び、一人、また一人と辞職を思いとどまらせた。
そして最後に残った一人には、「もし、お前を裏切ったらおれを刺し殺していい」と迫ると、相手は稲盛の手をとって泣き出したという。
以降、稲盛は技術者としてのロマンを追うのではなく、全従業員の幸福を追うことがなにより大切だと改めて実感。「全従業員の物心両面の幸福を追求する」という経営理念を持つようになる。
さらに突き詰めて、もう一段上のこんな理念も掲げるようになったという。
「人類、社会の進歩発展に貢献すること」
創業時の苦しい時期に、社員と本音で話すことでリーダーシップを発揮した稲盛。世界へ羽ばたく大企業を一代で作り上げることになった。
【参考文献】
稲盛和夫著『稲盛和夫のガキの自叙伝』(日経ビジネス人文庫)
稲盛和夫著『ど真剣に生きる』(NHK出版 生活人新書)
皆木和義著『稲盛和夫と中村天風』(プレジデント社)
稲盛和夫著『稲盛和夫のガキの自叙伝』(日経ビジネス人文庫)
稲盛和夫著『ど真剣に生きる』(NHK出版 生活人新書)
皆木和義著『稲盛和夫と中村天風』(プレジデント社)








