【図0-1】は穀物を運ぶ場合の、ばら積み輸送とコンテナ輸送の貨物の流れの簡略図です。

表0-1:ばら積み輸送とコンテナ輸送の貨物の流れ同書より転載 拡大画像表示

 ばら積み輸送では、まず生産地からコンソリデーションセンターと呼ばれる保管施設まで貨物を運びます。次に、内陸輸送業者、鉄道会社、内航輸送業者が、トラック、鉄道、バージ(はしけ)で出発港の岸壁近くにある保管場まで輸送します。大豆や油を搾った後の大豆かすなどは、大量保管可能な輸出エレベーターやサイロなどの専用施設で保管します。

 荷役業者が岸壁で荷役を行う際は、船についているクレーンのほか、“積み”では陸上のベルトコンベア、“揚げ”では陸上のアンローダー(ばら積み貨物を陸揚げする機械)を使用します。

 貨物は到着港の岸壁や保管施設でトラックや鉄道に載せられ、内陸輸送業者が最終目的地へ運びます。最終目的地とエレベーターやサイロが直結していることも多いです。

手間もコストもかかるのに
コンテナ輸送が選ばれる理由

 一方、コンテナ輸送では、生産者が工場や生産地でコンテナ詰め(バンニングといいます)するか、積み替え施設まで貨物を運んで送荷主がバンニングします。イリノイ州など米国中部産穀物の場合、鉄道でカリフォルニア州の積み替え施設まで運んでから貨物をバンニングすることもあります。コンテナ船で運ばれた貨物は、最終目的地で荷物が取り出されます(デバンニングと言います)。

 ばら積み輸送は同一品目を大量に運べるため、大規模市場への供給に適しています。しかも、ばら積み船の輸送運賃はコンテナ船の数分の1です。約14ノット(時速26キロメートル)で航行するコンテナ船に比べ、約11ノット(時速20キロメートル)程度で運航され、速度にも少し差があります。

 しかし、海上輸送にしては距離が長くないため輸送日数の差はそれほど大きくならず、北米西岸から日本への輸送は、ばら積み船でも約2週間で着きます。