将軍の後ろ盾を得た筒井順慶は、かつての筒井氏の居城であり、当時は松永氏のものとなっていた筒井城を奪還しました。
筒井順慶(演:永沼伊久也)は、松永久秀の宿敵ともいえる存在 (C)NHK
松永久秀にとっては、主君である義昭に自分の敵を支援された形になってしまったのです。怒った久秀は義昭と対立しますが、この段階では、まだ信長を敵視していたわけではありませんでした。
武田信玄と結んだ「第一の裏切り」
ところが状況は、さらに複雑になります。
この頃、信長の周囲には、浅井・朝倉、本願寺、三好三人衆など反信長勢力が次々と結集し、いわゆる「信長包囲網」が形成されつつありました。
そして久秀と敵対する筒井順慶が、明智光秀の仲介で信長方に加わってしまったのです。こうなると、松永久秀にとって信長は、敵対せざるを得ない存在となってしまいます。
以前から甲斐の虎として知られる武田信玄とも誼を通じていた松永久秀は、信玄率いる包囲網が成功すれば信長を倒せるかもしれない――そう考えて、反信長側に組することにしたのです。
しかし、この計画は、あっけなく崩壊してしまいます。
元亀4年(1573)、武田信玄が病死したからです。頼みの綱を失った松永久秀は即座に方針転換し、「自らの居城である多聞山城を信長に差し出すので、許してほしい」と信長に降伏したのです。
驚いたことに信長は、松永久秀の降伏を受け入れました。






