評価が低い人は、能力が低いのではない。「評価につながる行動」を知らないだけだ。
たとえば、上司の期待に応えようと、誰よりも早く動き、丁寧に仕事を仕上げる。多くの人は「上司に評価されれば十分」と考えているが、実際にはその前提が間違っている可能性がある。815社・17万3000人の働き方を分析してきた専門家・越川慎司氏によれば、評価される人ほど、直属の上司に気に入られる努力はそれほどしないという。
では、評価を得るにはいったい何が必要なのか。「もっと早く知りたかった」「大学生の娘に渡しました」などの声が集まる同氏の著書『815社17万人を分析してわかった 会社から期待されている人の習慣115』(ダイヤモンド社)から、「職場で評価されている人の意識の差」を紹介しよう。(構成/ダイヤモンド社・石井一穂)

【社内政治】二流は「上司からの評価」を大事にする。では、一流は?Photo: Adobe Stock

二流の人は「上司からの評価」だけ考える

 上司の指示にはすぐ対応する。
 頼まれた仕事は丁寧に仕上げる。
 報告・連絡・相談も欠かさない。

 それでも評価されない。
 それでも、大きな仕事は回ってこない。

 そんな状態に心当たりはないだろうか。

 多くの人は、「上司に評価されれば出世できる」と考えている。

 だからこそ、上司の顔色をうかがい、上司にとって都合のいい仕事を優先する。

 だが、この努力、実はかなりの確率で“無駄”になっている

 なぜなら、あなたの評価を最終的に決めているのは、その上司ではないからだ。

一流たちは「上司の上司」をチェックしている

 一方で、職場で信頼され、評価される「一流」たちは、まったく別の行動をとる。

『815社17万人を分析してわかった 会社から期待されている人の習慣115』という本には、こう書いてある。

 118社の幹部候補プログラム(将来の役員を育成する選抜教育)参加者3,875名にアンケートを取ったところ、71%が「上司の上司」の興味関心をチェックしていると回答しました。
 多くの人は、自分の上司に満足してもらうことが大事だと考えます。ですが組織を冷静に見ると、上司の評価を最終的に決めているのは、さらにその上の層です。
 どれだけ直属の上司と良好な関係を築いても、その上の層に存在を認識されていなければ、大きなプロジェクトや抜擢の話は生まれにくい。期待されている人たちは、この構造をよくわかっているのです。

――『815社17万人を分析してわかった 会社から期待されている人の習慣115』より

 彼らは二階層上の上司の発言や言葉遣いを観察し、言葉の変化から、関心や価値観の方向性を読み取っている。

 実際、二階層上の上司の発言や関心事を継続的にメモしていた社員は、18か月以内の抜擢率が平均で約2倍に高まっていたそうだ。

 上司の上司が満足すれば、上司も助かる。
 結果として、チーム全体が前に進む。
 その延長線上に、自分の評価がある。

 仕事ができる人は、この事実を肌感覚で理解しているのだ。

『会社から期待されている人の習慣115』には、周囲の信頼を得て、人生を変えるチャンスをつかむための115の習慣が収められている。

「私はもっと評価されていいはず」と感じている人は、多くの気づきが得られるだろう。

(本稿は、書籍『815社17万人を分析してわかった 会社から期待されている人の習慣115』の一部を引用したオリジナル記事です)

越川慎司(こしかわ・しんじ)
株式会社クロスリバー 代表取締役社長
日系通信会社や外資ベンチャーなどを経て2005年にマイクロソフト米国本社へ入社。その後、日本マイクロソフトの役員としてExcelやPowerPointなどの事業責任者を務める。2017年には週休3日・複業を実践する会社、株式会社クロスリバーを設立し、800社以上の働き方改革を支援。年300回以上提供する企業向けオンライン講座の受講者満足度は平均96%、行動に移す受講者は95%以上。著書は『世界の一流は「休日」に何をしているのか』(クロスメディア・パブリッシング)や、『AI分析でわかった トップ5%社員の習慣』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)など33冊、累計130万部。NHK、TBS、テレビ東京、PIVOT、NewsPicksやReHacQなどメディア出演多数。