まず、後者の研究はタンパク質の割合ではなく、摂取するタンパク質の総量に注目している(この研究の難点は、被験者の一部はある食事療法に従っており、一部は従っておらず、それを確認していなかったというやや乱雑な研究デザインにある。したがって、炭水化物、タンパク質、脂質の割合の変化が睡眠に影響するかどうかははっきりしない)。
そして、しっかりと認識すべきなのは、睡眠時間の長さは睡眠の質を表してはいないということである。睡眠時間の短さは必ずしも睡眠の質の悪さを意味しない。総じて言えば、高タンパク質の食事が睡眠に及ぼす影響については、デメリットよりもメリットに関するエビデンスの方が多いようだ。タンパク質の摂取が多いことと睡眠が改善されることには因果関係があるように思われる。
脂質と炭水化物の摂取と
睡眠の「本当の関係」
脂質と炭水化物の摂取と睡眠の関係については、データによって結論が異なっている。
脂質や炭水化物の摂取が睡眠に及ぼす影響を測定する実験的な調査はほとんど行われていない。一般的に、脂質の摂取を減らすと主観的な睡眠の質が向上するとされてきたが、因果関係は不明である。8人の被験者を対象としたある古い研究では、炭水化物が多く、脂質の摂取が少ないと、深い睡眠の時間が短くなるという結論が出ている。
一般的に、炭水化物の摂取が少ないと、客観的な睡眠の質が向上するとされている。これらの限られた数の研究の難点は、被験者の数が少ないことで、その上、研究ごとに血糖指数(血糖値を上昇させる度合い)の異なる炭水化物が用いられている。その結果、科学的な結論がそれぞれ違っているのかもしれない。
就寝時刻のどのくらい前にものを食べるのをやめるべきだろう?
最近の研究では、夜遅くにものを食べると睡眠時間が25~35分長くなるが、主観的な睡眠の質は低下する可能性があると指摘されている。就寝前1時間以内に食事をした場合、中途覚醒の時間が長くなった。夜遅くにものを食べることと、就床時間を過剰に長くするなど、主観的な睡眠の質を低下させる可能性のある他の不健康な行動との関連性についてはよくわかっていない。
最近の別の研究でも、夜遅くにものを食べる人は睡眠の質が悪いことがわかっている。就寝前3時間以内に食事をした若者は、中途覚醒の回数が多い。この因果関係についても何もわかっておらず、他の要因が関連性を説明できるかも不明である。







