それでも、あまりに遅い時間に食事をするのは睡眠にいいとは思われない。
しかし、これから就寝する時に空腹なのも困ったものだろう。だとすれば、そんな時には何を食べるのがよいのだろう?ポテトチップス1袋ではないだろう。就寝前1時間以内に多量の炭水化物や脂質を摂取すると、客観的に見て、起きている時間が長くなる可能性がある。脂質の多い食べ物を夜遅くに食べると睡眠が劣化するということも、最近の研究で明らかになりつつある。
ある研究では、夜遅くにケバブを食べると主観的な睡眠の質に悪影響があることがわかっている。
とはいえ、研究手法を見れば、結果に影響を及ぼす可能性のある変数がいくつかあることにすぐ気づくだろう。研究者たちはケバブを食べる被験者グループだけをレストランに連れて行き、他の被験者たちは連れて行かなかった。疑問は当然、午後10時にレストランへ車で移動したのか?睡眠の質を低下させたのは蛍光灯の照明ではないのか?ということだ。
栄養補助食品やサプリは
睡眠を改善するのか?
ここまで主として脂質、タンパク質、炭水化物について述べたが、栄養補助食品はどうだろう?栄養補助食品の睡眠促進効果は大いに宣伝されているが、充分な根拠はあるのだろうか?以前の研究ではやや肯定的な結果だったが、2022年の大規模なメタ分析では、ビタミンや栄養補助食品に関する既存の科学論文が批判的に検討された。
すると、それまでに実施された研究は極めて小規模で、研究の質も低いことが判明した。ビタミンD、亜鉛、アミノ酸についての既存の研究も同様である。2021年の調査では、バレリアン(編集部注/ハーブの一種で、睡眠の質向上を謳ったサプリメントに使用されることがある)とカモミール(編集部注/ハーブの一種。緊張を緩和するとされ、就寝前にハーブティを飲むと睡眠の質が上がるという見解がある)の効果は甚だ疑問であるという結論が出た。2023年、ヨハンナ・エルの研究グループは、バレリアンが睡眠によい影響を及ぼす確固たる証拠はないとあらためて確認した。メタ分析により、アミノ酸の一種、トリプトファンは睡眠をサポートし、特に1ミリグラム以上摂取すると睡眠が改善すると結論づけられた。







